443km/hで走った最速の新幹線955形「300X」現代に受け継がれる7年の生涯で残したもの

300系新幹線の登場後すぐに造られた試験車両300X。なぜ新型車両が出た直後に試験車両が造られたのでしょうか。航空機と競ううえで、あらゆる試験要素を詰め込んで走った300Xは、リニアを除く最高速度443.0km/hを記録しています。

「失敗」を蓄積すること

 住宅密集地を貫く日本の新幹線は、高速運転と同時に沿線環境への配慮が強く求められます。一般的に速度が上がればそれに比例して騒音も大きくなりますが、300Xでは騒音源となるパンタグラフの風切り音を抑えるため、極めて大型のパンタカバ-が装備されました。なおパンタグラフ自体も、従来の交差パンタよりも小型で軽量なシングルアームパンタを試用。小型になれば風を受ける表面積が小さくなるので、その分騒音も小さくなるという理屈です。

 もっとも、大型のパンタカバ-は大きなカバーそのものが騒音源になることが判明するといった失敗もありました。しかし試験車両であれば、こういった「失敗」を積極的に行ってデータを蓄積するのも重要な仕事です。

 300Xはこういった数々の試験的要素を組み込んで試運転を繰り返しました。そして1996(平成8)年7月26日未明、米原~京都間で超電導リニアをのぞく鉄道車両の日本国内最速となる443.0㎞/hを記録しました。

前後で顔が違う「300X」反対側の写真

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