関空閉鎖 深刻な空港ドローン被害 対策遅れる日本 防空システム ドローンドーム効果は

関西空港ではドローンにより滑走路の閉鎖が相次ぎましたが、こうしたドローンを実力排除する手段もさまざまに開発されています。そのひとつ、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」の開発会社によるドローン対策に注目しました。

「防空」に実績のイスラエル製「ドローンドーム」とは

 2019年11月18日から20日まで、千葉市の幕張メッセで開催された防衛総合イベント「DSEI Japan 2019」でも、こうした日本の状況をビジネスチャンスと捉えた外国企業による、ドローン対策製品の展示が行なわれました。そのなかで筆者が最も注目したのは、イスラエルのラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズが出展した「ドローンドーム」です。

 ドローンドームのドローン探知システムは、CCDカメラと赤外線カメラ、電波を測定するRFセンサー、レーダーから構成されています。

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「ドローンドーム」のオペレーター用ディスプレイの画面。ドローンの飛行位置や種類などが整理されて表示される(竹内 修撮影)

 既存の多くのレーダーは、鳥のような小型の飛行物体や自動車が発するノイズによる影響を受けやすく、それがドローンの探知を困難にしていますが、ドローンドームのレーダーは、イスラエルが実戦で収集したデータを活用して、ドローンのみを検出する能力を備えています。CCDカメラと赤外線カメラはレーダーと連動しており、ドローンに危険物が搭載されていないかを識別、またRFセンサーにより、ドローン操縦者の位置を特定する能力も備えています。

 危険とみなされたドローンは電波による妨害、またはレーザーの照射によって無力化されます。2019年現在の日本では、電波妨害は総務省から特別な許可を受けた警察などの組織しか行なえませんが、イーサネットで警察などと接続し電波妨害を行なう仕組みを構築できれば、空港などでも迅速な対処が行なえます。レーザーは自衛隊などの軍事組織のみに使用が限定されていますが、流れ弾による第三者への損害などを考慮することなく、高い確率で無力化できます。

 ドローンドームは前述したガトウィック空港をはじめ、同じロンドンに所在するヒースロー空港、シンガポールのチャンギ空港などにも導入されており、ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズは、日本の公的機関から購入の申し出があったことを明らかにしています。

【了】

【写真】「ドローンドーム」のレーザーでドローンはこうなる

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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