年末の中央線終電 気づけば終点の高尾…「寝過ごし救済バス」取材レポ 深夜の人間模様
八王子の駅前なら始発まで時間を潰せそう
午前1時53分、チャイムとともに「次は終点、JR八王子駅北口です」のアナウンスが流れ、数人がむくっと顔をあげます。そして1時55分、八王子駅北口の停留所に到着。まず、第一陣「起きている人たち」が下車し、第二陣「職員に起こされた人たち」が続きます。乗車時にICカードをタッチしていない人も多く、精算に時間を要していました。
「これで全部終わりかな?」とバスの外から様子を見ていたところ、まだ2人の乗客が残っていました。このうち1人は、午前2時少し前に降りてきたものの、先ほど横に倒れて熟睡していた人は起きる気配さえありません。2時8分、2人の警察官が現れ、職員と一緒に起こしにかかります。
午前2時15分、警察官に介助されつつ最後の1人もようやく下車。17分にバスは「回送」を表示し、去っていきました。
一方、バスを降りた人たちはというと……ちょうど停留所の目の前にカラオケ店があり、数人がそこに入っていきました。始発までの過ごし方を思案しているのか、ペデストリアンデッキで夜風に吹かれていた人もいました。
八王子駅前は、高尾駅前の真っ暗な雰囲気に比べ、前述のカラオケ店のほか、周囲には宿泊施設や深夜営業の飲食店も多く、また真夜中にもかかわらず、大勢の人がいてにぎやかでした。同じ朝まで過ごすのでも、高尾駅よりは八王子駅のほうが、まだなんとかなることを実感したものの、やはり救済されることなく帰宅できるのが何よりだと感じました。
【了】
Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)
1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。
こういう記事ももっと増えて欲しいです。
面白い。
>遠足の復路
……!
この記事はタイムリーでいいですね。気になっていました。お世話にはなりたくありませんが…
ありがとうございました。