年末の中央線終電 気づけば終点の高尾…「寝過ごし救済バス」取材レポ 深夜の人間模様

停留所を過ぎるたび、寝ている人の割合は増加

 大変だったのは、元八2丁目停留所でのこと。2人掛け席のうち、窓側の人が下車しようとするのですが、通路側の人が深い眠りについて微動だにしないため、降りようにも降りられません。添乗していた職員が、眠っている人の身体を少しずらし、空間を作ることで、なんとか通路に出ることができました。寝ていた人は……そのままずるずると横に倒れ、さらに深い眠りに落ちていきました。

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「寝過ごし救済バス」の案内(2019年12月、蜂谷あす美撮影)。

 やがて、一人の男性のスマートフォンが光りました。家族から電話がかかってきたようで、「高尾まで来ちゃったから八王子までバスで戻る」と説明しているのですが、「八王子までバスで」をなかなか理解してもらえないらしく、何度も説明を重ねていました。

 乗客の数は気づけば20人ほどまで減っていました。停留所で乗客が下車していくたび、相対的に寝ている人の割合は増えていき、頭の角度から察するにおよそ半数は夢のなか。夜行バスではないため、車内は明るいままですが、かたかたとした揺れ具合と暖かな空調が深夜の身体に眠気を誘発します。中央線が飲み会帰りのにぎやかなグループの熱気で充満していたことを考えると、誰一人声を発することのない静かな空間は「遠足の復路」とよく似ている気がしました。年齢層はずいぶん高めですが。

終電「寝過ごし救済バス」を写真でチェック!

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コメント

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3件のコメント

  1. こういう記事ももっと増えて欲しいです。
    面白い。

  2. >遠足の復路

    ……!

  3. この記事はタイムリーでいいですね。気になっていました。お世話にはなりたくありませんが…
    ありがとうございました。