「ボンネットに透明板を立てたパトカー」激減なぜ? バグガードと呼ぶその板 役割は

なぜバグガードはなくなったのか

 前出の警察車両に詳しい人物は、バグガードが不採用になったことについて、確定的なことはいえないとしつつ、3つの説があると話します。

 ひとつめの説は、車両の空力性能がよくなったこと。かつてのクルマは全体的に角ばっていましたが、空力性能アップのために丸みを帯びたデザインとなるにつれ、フロントガラスに虫があまりぶつからなくなったのではないかといいます。

 ふたつめの説は、コストの削減。パトカーには都道府県の予算で購入するものと、警察庁が一括購入して全国の警察へ配備するものがありますが、後者の場合は数百台単位でバグガードが取り付けられていたそうです。

 3つめの説は、いわゆる「外部突起規制」に対応したというもの。これは歩行者保護の観点から、衝突時あるいは接触時に歩行者へ傷害を与える恐れのある突起を車両外装からなくそうというもので、国際基準に合わせる形で2001(平成13)年に日本の法令へ盛り込まれました(猶予期間を経て2009年以降の新車から適用)。バグガードのようなパーツだけでなく、乗用車のフロントグリル上に見られる立体のエンブレムやマスコットが数を減らしたのも、この規制が関係しています。

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バグガードを取り付けた日産「スカイライン」パトカー、1980年モデル(画像:日産)。

 ちなみにバグガードは、「ボンネットガード」などの名で、海外では純正オプションになっているものも多く、「ランドクルーザー」や「ジムニー」といった車種のものが日本にも輸入されています。それらの多くは、ボンネットの先端に寝かせる形で取り付けるものです。

【了】

【写真】海外では純正アクセサリーにもなっているバグガードの一種

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コメント

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7件のコメント

  1. この目的は、フロントガラスに当たる空気抵抗を和らげ(空気をルーフ上に流す)こと、およびこれによってフロントガラスに虫などの当たり張り付くのを防止するためと聞いていますよ。高速度で走行するとフロントガラスに虫がよく当たりますよね、時には小鳥や小石など・・・,風の流れを作ることでフロントガラスへの異物の衝突などを防止することで,高速での追跡を容易にしている。近年車の形が流線型になり風の流れがスムーズになったこと、バグガードの振動が気になること、突起物としての規制概念が強くなったことなどから廃止したのでしょうね

  2. 高速道路が出来たばっかりの頃は虫たちもまだ慣れていなくてクルマにぶつかりやすかったけど、きっと年代がたつにつれてよけ方を身に着ける方向で進化したのでしょう。

  3. 西部警察のスーパーZにも着いてたな。

  4. 最近は農薬使用や河川工事でウンカやカゲロウが少なくなっているからだと思います。

  5. 突起物規制のためです。 ボンネットエアバッグで歩行者への衝撃緩和もする時代です。
    私のSUVにもつけています。ボンネットフードの先端に沿うように最小限です。上部が少し立っているので若干整流効果があります。ガラコをフロントウインドウに塗ると、未装着だと60㎞/hくらいから水滴が飛んでいくが、装着すると、80-100㎞/hでも水滴が軽い風圧と釣り合って落ちてこない。
    小雨や粉雪や小さな虫には効果がある。
    カナダに行くと結構装着している。雪国の一般道路走行車に装着が多いようだ。虫と雪対策だと思う。

  6. 日本も昔は中国並みだったと言う事でしょう
    人と接触したらボンネットに切断用の刃物が有った
    って言う事に成りかねませんね
    無ければボンネットで軽減されます
    昔はボンネット軽減考えてなかったから
    今は凹んで保護するタイプ
    今の時代だから消えたって言う事
    警察も言えないでしょうね
    人命軽視に当たるからでしょうからね

  7. いまの車はデザイン的に丸みがあり風の流れも計算されていてフロントガラスも寝ているので昔ほどフロントガラスに虫が付かなくなったのが無くなった原因でしょう。
    いまでもフロントガラスが立ってるジムニーとかは虫の死骸が酷いそうです。