FFは異端な戦車世界 イスラエル「メルカバ」なぜフロントエンジン フロントドライブ?

エンジンブロックすら防御力の一助に

 建国時から国家存亡の危機にさらされてきたイスラエルは、2019年現在も徴兵制を敷いており、国のスケールからすると規模の大きな軍を有しています。

 前述したように、イスラエルは建国時の戦争で多数の犠牲を出したことから、当初から国防戦略の根幹には兵士の損耗率を抑えるという人命尊重の概念がありました。その考えがあるからこそ、欧米の既存戦車に不満を感じて、自軍の戦略に合致するように独力で開発したのが、同国初の国産戦車「メルカバ」でした。

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射撃訓練にて、左側の「メルカバ」Mk.2が車体後部の乗降ハッチを開放している(画像:イスラエル国防軍)。

「メルカバ」戦車は、徹底して乗員防護を優先しているのが特徴です。そのため、エンジンまでも防御用の一部材として用いるために、あえてフロントエンジンとしたのです。こうすることで、仮に敵の砲弾やミサイルが前面装甲を貫いてもその後ろのエンジンブロックで防ぎ、奥にある乗員室までは被害が及ばないようにしています。

 最初のタイプである「メルカバ」Mk.1は1978(昭和53)年12月に制式化されましたが、その後開発されたメルカバシリーズのすべてで、このフロントエンジン構造は踏襲されており、最新のMk.4Bでも基本的な構造は変わっていません。

【写真】イスラエルでは当たり前 「メルカバ」に乗る女性戦車兵

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コメント

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2件のコメント

  1. 中東で最も優しい世界

  2. 20年以上前の話。こんな防御は今の戦車には通用しない。そもそもメルカバは砂漠で戦う前提だから車体は隠れるから被弾しにくい。