「武蔵小金井」でなく「小金井」行き電車 どんなところへ行くのか? 乗ってみた

日酸公園には救援車クモエ21形が展示されている

 小金井駅周辺は、古代は「下野国」の中心地、そして江戸時代には五街道のひとつ、日光街道の小金井一里塚が設けられていたことから、それらの遺構や名残などを実際に見て回ることができます。

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日酸公園にある事業用制御電動車(救援車)クモエ21形(2019年12月、蜂谷あす美撮影)。

 古代を知るべく向かったのは、駅から4kmほどの場所にある「天平の丘公園」です。前方後円墳を復元した「国見山古墳」を見学できます。この古墳には、造成中に出土した渡来銭の一部が埋まっています。古墳の上に立ち手を叩くと、びょんびょんという音が返ってきました。「鳴き竜」といい、小銭が共鳴して発生する音と思われます。

 一里塚は、駅から北に500mほど進んだ場所に現存しています。こんもりとした小山がふたつ並んでおり、その間を日光街道が通っていたそうです。界隈には、本陣跡なども見られました。

 鉄道関連では、駅西口から700mの「日酸公園」に事業用制御電動車(救援車)「クモエ21形」が展示されています。クモエ21形は国鉄時代、列車が事故や故障で動けなくなったときに、復旧作業を行うための救援車として活躍しました。1927(昭和2)年に旅客用の電車として誕生、1967(昭和42)年に救援車として改造され、小山電車区(現在の小山車両センター)に配置、1986(昭和61)年に引退しています。案内板によれば、有志によって保存活動が行われているようです。なお見学中、ウェディングフォトを撮りに来た人たちに遭遇しました。なるほど、古い列車は、「映える」存在なのですね。

 この辺りですっかり日暮れに。乗り継ぎのためホームに降りたことしかない人も、次は改札の外に出てもよいかもしれません。痛チャリで、1日楽しく回れる場所ですよ。

【了】

【写真】痛チャリで巡る小金井の街

Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)

1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。

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