海上自衛隊 護衛艦・潜水艦の寝室事情 2段ベッド上段は上官です 改善進みコンセントも

潜水艦の士官寝室2段ベッド 上官が「上」です

 潜水艦も、世代交代するごとに艦体サイズが大きくなっているため、たとえば海上自衛隊呉資料館、いわゆる「てつのくじら館」で展示されている潜水艦「あきしお」の頃までは、幹部用の士官寝室も、曹士用の科員寝室も共に3段ベッドでした。しかし、最新のそうりゅう型潜水艦では士官寝室は2段ベッドになっています。

 ちなみに士官寝室の2段ベッドは、上のほうが頭上スペースが広いため、原則として階級が上の幹部が上段を使うそうです。

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海上自衛隊呉資料館に展示されている潜水艦「あきしお」の科員居住区(2019年2月、柘植優介撮影)。

 とはいえ最新のそうりゅう型が、海自潜水艦のなかで最も居住区画が広いわけではなく、実は前のタイプのおやしお型のほうが広くなっています。そうりゅう型のほうが艦体サイズが大きく、乗員数は省力化で少なくなっているにもかかわらず、です。

 それは動力が、おやしお型ではディーゼルエンジンと蓄電池だけだったのに対して、そうりゅう型ではディーゼルエンジンと蓄電池のほかにAIP(非大気依存推進)まで積むようになったからです。

「AIP」とはヘリウムガスと燃料を用いてシリンダーを動かし発電するもので、そのための区画とヘリウムガスのタンクをそうりゅう型は備えています。これらのスペースが艦体サイズの拡大以上に内部容積を占めたため、それが乗組員の居住区画に影響を与え、前のタイプのおやしお型潜水艦のほうが広いという逆転現象を起こしました。

 ちなみに、潜水艦で唯一個室なのが艦長室ですが、艦長より上役の潜水隊司令や潜水隊群司令が乗艦したとしても、艦長室が彼らの部屋になることはありません。乗り込んできた上役の隊司令、群司令のほうが2人部屋の士官寝室を使います。

【写真】護衛艦「ひゅうが」の幹部用2段ベッド

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コメント

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1件のコメント

  1. 「AIP」とはヘリウムガスと燃料を用いてシリンダーを動かし発電するもので、そのための区画とヘリウムガスのタンクをそうりゅう型は備えています。
    ヘリウムと燃料では、ねんしょうしないのでは ?