旅客機の地上走行 実は操縦桿ほぼ不使用です…どうやって曲がるの? 「ティラー」とは

機種により微妙に違うティラー でも最も大事な部分は共通

――飛行機の製造メーカーによって操作方法や形に違いはあるのでしょうか?

 形はメーカーや製造時期によって、スティック型やハンドル型などの種類がありますが、操作方法はメーカーが違ってもおおむね同じです。ステアリングの操作感は機種により多少異なりますが、クルマを運転するとき「ハンドルを何度傾けるとこれくらい曲がる」と意識しないように、操縦する人がそれらを意識することは少ないでしょう。

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ボーイング787型機のコクピット。赤枠で囲っているのがテイラー(2019年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

――ティラーは、どのような機種に備わっているのでしょうか?

 7人から8人乗りの小型機などは除きますが、JAL(日本航空)やANA(全日空)などで使われている機種は、おおむね標準装備されているといえるでしょう。またジェット旅客機だけでなく、ANAグループが運航するボンバルディアDHC8-Q400型機などのターボプロップ機にもティラーはあります。

※ ※ ※

 なお、たいていの旅客機は地上走行時に、車輪の向きを変えられるものがティラー以外に備わっています。上空では垂直尾翼の一部分(ラダー)を動かし、操縦桿と組み合わせて左右の方向操作に用いられるラダーペダルです。ただし、車輪の向きを左右へ最大90度近くまで変えられるティラーに対し、ラダーペダルは7度から8度程度。このためラダーペダルは飛行機が滑走路などの中心に来るよう調節に使われる程度だそうです。

 これらのほか飛行機の車輪にはブレーキがついており、左右の車輪ブレーキを組み合わせることで、地上で方向を転換する方法もあります。

【了】

【写真】エアバス機のティラーと見比べ

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コメント

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1件のコメント

  1. 戦闘機等にはその機能は無く、ラダーペダルの上側を踏むと
    車輪のブレーキが左右別々に掛る様に成って居る。
    それで定位置までの移動をコントロールできる。