感染症対策のエキスパート 陸自の対特殊武器衛生隊のみ装備の「B-ユニット」とは?

陸上自衛隊は、核兵器や化学兵器だけでなく生物兵器(生物剤)にも対処できるよう、人員と装備を準備しています。病原体を特定するだけでなく、患者を隔離収容し治療まで行える装備とは、いったいどのようなものなのでしょう。

可搬式の隔離病棟といえる装備

 B-ユニットは「陰圧病室ユニット」と「衛生検査ユニット」からなり、前者は陰圧、すなわち外部よりも内部の気圧が低い構造の複数のエアドームと各種医療機材などで構成された可搬式のいわば病室で、後者はトラックの荷台にコンテナ式検知機材を搭載した自走可能な検査室です。

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生物剤対処用衛生ユニットを構成するひとつである陰圧病室ユニット(柘植優介撮影)。

 万一、国内で生物剤が使用された場合、対特殊武器衛生隊は、感染患者や汚染エリアの環境(水や土など)から採取した検体を衛生検査ユニットにかけ、病原体を突き止めます。

 一方、感染患者は、未感染者への2次感染を防ぐ意味合いからも、迅速に陰圧病室ユニットのなかに収容します。このユニットは「受入分類部」「病室部」「診療部」「検査部」「シャワー部」の5つで構成され、内部の気圧を調整することで、それ以上の感染拡大を防ぐ構造になっています。

 病室部には感染患者を隔離できるよう、トイレやシャワーもあり、汚染された排水が外に出ないよう、電気燃焼式処理装置などを完備しています。また各部には空気清浄機や遮断区画が設けられており、対応にあたる自衛隊員が2次感染しないようにする措置も設けられています。

 このほかにも、感染患者を運ぶ際に2次感染を防ぎつつ安全に移送できる、カプセル型の密閉式ストレッチャー「アイソレーター」も装備しています。これを用いれば、完治していない感染患者を別地域の医療機関に移すことも可能です。

【写真】似ているけれども使い方が違う「生物偵察車」

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