JR九州 命運かけた在来線特急787系電車 「つばめ」から「36ぷらす3」への新たな挑戦
「始まりの列車」だった787系 いま見てもよくできた車両
1992年(平成4年)に登場したJR九州の787系「つばめ」は、ホテルのような落ち着いた車内空間、ビュフェなどの充実した設備、客室乗務員「つばめレディ」によるサービスなどを持ち、当時高校生だった私(恵 知仁:鉄道ライター)は、かつての国鉄車両、また昭和の雰囲気とかけ離れた車両(列車)の出現に、大いに興奮したことを覚えています(国鉄は1987〈昭和62〉年にJRへ分割民営化)。
787系は、日本の鉄道業界では歴史のある「ブルーリボン賞」、そして国際的なデザインコンペである「ブルネル賞」を受賞。のちに個性的として広く知られることになるJR九州の特急列車群、その流れに大きな弾みをつけました。
豪華寝台列車に和風新幹線800系、革張り木製座席の通勤車両と、個性豊かな色とりどりの車両が行き交う現在のJR九州、そして日本を代表する鉄道車両デザイナーのひとりである水戸岡鋭治さん。この787系「つばめ」の成功が、その過去にあります。
「いま見ても787系はよくできた車両だと思います。さわりたくない(改造したくない)気持ちもありますが、それがデビューしたときの感動を考えると、新たな感動を提供したいとも思います」(工業デザイナー 水戸岡鋭治さん)
今回、小倉総合車両センターで改造中の787系を見て、青柳社長と水戸岡さんは30年前を思い出しながら、「これが始まりの列車だった」とふたりで懐かしんだそうです。
そして登場から28年。九州新幹線にその役目を譲った787系が今年、観光列車「36ぷらす3」として新たな出発を迎えます。
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