バスタは成功? それとも… 高速バスターミナル新設 全国へ広がるが… その課題と懸念

バスターミナルの需要予測にズレ 忘れられがちな「着地型ツアー」の重要性

 BT計画に際しての正しい需要予測も課題です。前述のとおり、BT新設ラッシュの理由のひとつに、インバウンド受け入れ機運の高まりがあります。

 インバウンドと聞くと多くの人がバスを連想するようですが、ここで連想される「バス」とは、中国などの旅行会社によるツアーで利用される貸切バスのことです。団体ツアーの貸切バスは、空港の駐車場で一行を乗せたあとは観光地や宿泊施設に直行するので、都心や駅前のBTを使いません。つまり、行政のイメージする需要と実態とのズレが生じているのです。

 しかも、旅慣れた外国人リピーターが増え、また政府が個人観光ビザの発給要件を緩和していることから、インバウンドは急速にFIT(個人自由旅行)へシフトし、団体ツアー市場は縮小しています。さらに2020年2月現在、「新型コロナウィルス」の影響で中国発の団体ツアーは中国側が禁止している状況です。

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高山濃飛バスセンター。外国人旅行者の高速バス利用者が多く、続行便も多い(2016年10月、成定竜一撮影)。

 その代わりに増加が見込まれるのが、FITを対象とした「着地型ツアー」です。旅先で参加する、日帰りから1泊程度のバスツアーなどのことです。外国人旅行者は空港などから貸切バスで直行するのではなく、公共交通などにより個人で旅行し、一部の日は、現地でこのようなツアーに参加するのです。

 停留所やBTでしか乗降できない高速バスと違い、ツアー用のバスは公道で乗降できることから、その存在はBTの計画上、忘れられがちです。しかし、旅行会社のスタッフが参加者名簿を元に乗車受付をする必要があり、規模が大きくなると歩道を占拠しかねず、地区によってはBTに集約する方が合理的です。

【地図】国の「バスタプロジェクト」おもな検討地域

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コメント

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6件のコメント

  1. 一発で嫌になったな、以降は東京八重洲からしか利用してないな。
    ても待ち合い室や案内板が利用者に配慮してくれるような改善があればいいな。

  2. 成功は成功だろうが、あまりにも手狭だろうが

  3. コンサルが後出しで記事にしても説得力がないな

  4. バスタは待合室が狭くてまず座れません。買い物するにもコンビニが狭いし。
    乗り場の4階大混雑な割に降り場の3階はがら空き。なので3階にも待合室とお店が欲しいところです。

  5. 新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)は、設計図を見た時交通広場と感じました。
    駅の東西南北にある交通広場と同じものです。12しか乗り場が無いのも足りないです。
    代々木方に100mほど広げれば、倍の24乗り場と降車バースを確保出来たでしょう。
    バスターミナルへの出入り口も2か所出来たでしょう。
    設計段階から役所感覚の意向があったかもしれません。

    しかし、完成したターミナルを使いこなしてモノに出来るはずです。
    今後、計画されているバスターミナルには使いやすいのを望んでいます。

    私も参加してみたいです。バスターミナルの設計等の助言に関わりたいです。

  6. バスタに開業前から携わった身としては、あの施設は国土交通省(旧建設省のほう)の自己満足施設に過ぎません。
    20年以上前から企画され、その途中の制度変更で新高速バスとして当初の計画段階より「さらに倍!」の便数を抱えるようになって時すでに遅し。客も事業者も「イイ施設」とは思えないでしょう。
    それに売店なんか開業直前に白紙撤回してなきものにし、開業してから「利用者の声を参考に設けました」なんてどの口が言ってるのやら。
    新高速バスグループを利用していた人からすれば、駅から格段に近くなって喜んでると思いますが、既存事業者の人利用者は増発便が減って(運営上、自由に増便を出せない)乗る機会を失うことが多々あると嘆いています。