バスタは成功? それとも… 高速バスターミナル新設 全国へ広がるが… その課題と懸念

「インバウンドに需要のある行先」もバスターミナルごとに違う

 2020年現在、こうしたFITの増加を受け、都心のBTから、富士五湖や岐阜県の飛騨高山といったFITに人気の周遊型観光地や、御殿場など近郊のアウトレットモールへ向かう高速バスが好調です。

 その一方、国際空港から観光地へ直行する高速バスについては、北海道のニセコ、長野の白馬、沖縄の本部(もとぶ)半島など滞在型リゾート地への路線に需要があるものの、飛騨高山のような周遊型観光地への直行便は不調、というようにFITの影響は立地によっても様々です。BT新設には、こうした違いを考慮した需要予測が必要でしょう。

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建設中のさいたま新都心バスターミナル(2020年1月、成定竜一撮影)。

 また、着地型ツアー、観光地向けの高速バス、都市間の高速バス(昼行、夜行)といった商品によっても、必要とされるBTの設備や発着の多い時間帯が異なるので、それらにうまく対応できるよう施設を設計することが求められます。乗客案内や車両誘導のスタッフを手厚く配置し、限られた面積で1台でも多く発着できるようにするか、逆に人手をかけずローコスト運営を目指すかという戦略も、地域や立地によって変わります。

 BT新設とは、単に「ハコ」を用意することではありません。現在の、そして将来の利用者ニーズを把握し、それに応えるために「ハコ」に魂を入れるプロセスなのです。

【了】

【地図】国の「バスタプロジェクト」おもな検討地域

Writer: 成定竜一(高速バスマーケティング研究所代表)

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。新聞、テレビなどでコメント多数。

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コメント

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6件のコメント

  1. 一発で嫌になったな、以降は東京八重洲からしか利用してないな。
    ても待ち合い室や案内板が利用者に配慮してくれるような改善があればいいな。

  2. 成功は成功だろうが、あまりにも手狭だろうが

  3. コンサルが後出しで記事にしても説得力がないな

  4. バスタは待合室が狭くてまず座れません。買い物するにもコンビニが狭いし。
    乗り場の4階大混雑な割に降り場の3階はがら空き。なので3階にも待合室とお店が欲しいところです。

  5. 新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)は、設計図を見た時交通広場と感じました。
    駅の東西南北にある交通広場と同じものです。12しか乗り場が無いのも足りないです。
    代々木方に100mほど広げれば、倍の24乗り場と降車バースを確保出来たでしょう。
    バスターミナルへの出入り口も2か所出来たでしょう。
    設計段階から役所感覚の意向があったかもしれません。

    しかし、完成したターミナルを使いこなしてモノに出来るはずです。
    今後、計画されているバスターミナルには使いやすいのを望んでいます。

    私も参加してみたいです。バスターミナルの設計等の助言に関わりたいです。

  6. バスタに開業前から携わった身としては、あの施設は国土交通省(旧建設省のほう)の自己満足施設に過ぎません。
    20年以上前から企画され、その途中の制度変更で新高速バスとして当初の計画段階より「さらに倍!」の便数を抱えるようになって時すでに遅し。客も事業者も「イイ施設」とは思えないでしょう。
    それに売店なんか開業直前に白紙撤回してなきものにし、開業してから「利用者の声を参考に設けました」なんてどの口が言ってるのやら。
    新高速バスグループを利用していた人からすれば、駅から格段に近くなって喜んでると思いますが、既存事業者の人利用者は増発便が減って(運営上、自由に増便を出せない)乗る機会を失うことが多々あると嘆いています。