大型イベント相次ぐ中止 新型コロナ対策はあるのか? シンガポールエアショーの場合
大手企業も参加取りやめ相次いだ2020年の「シンガポールエアショー」
シンガポールではショー開催直前の2月9日(日)の時点で、2019年新型コロナウイルスの感染者が確認されていました。
これを受け、フランス航空宇宙工業会(GIFAS)などは自国企業に対して「シンガポールエアショー」への社員の出張見合わせを勧告していたほか、大手企業のなかにもシンガポールへの不要不急の出張を自粛する動きが見られ、その結果、アメリカのロッキード・マーチン、カナダのボンバルディア、イタリアのレオナルドといった大手企業が直前に参加をキャンセルしています。またシンガポール政府が同国在住者以外の中国人について入国を禁止したことから、中国商用飛機など中国企業12社も参加を取りやめています。
このためエアショーへ参加する企業の数は、当初予定されていた約1000社から80社程度減少しており、会場内には企業の参加見合わせによって生じた「空き地」や、アメリカのベルのように展示を行なわずスタッフがいるだけの企業ブースや、レオナルドのように展示品もなく社員もいない企業ブースがあちこちで見受けられました。
航空機の展示でも、韓国空軍やインドネシア空軍が直前に参加を見合わせたため、デモフライト、地上展示とも、2018年の前回に比べてかなり寂しいものとなりました。
2月23日(土)の時点で、「シンガポールエアショー」を主催するエクスペリア・イベンツはショーの来場者数を発表していませんが、2月17日(月)の日本経済新聞は業界関係者向けのトレードデイの来場者が、2018年の約5万4000人から約3万人に減少したと報じています。またトレードデイ期間中に大きな商談成立の発表もありませんでした。
その一方2月23日の時点で、「シンガポールエアショー」の来場者に新型コロナウイルスの感染は確認されておらず、ショーの成否はともかく少なくともコロナウイルスの感染拡大に関しては、いまのところ防ぐことに成功したといえるかもしれません。
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