700系が残したもの 東海道新幹線から引退も受け継がれる「700」と「進化の基礎」とは

700系新幹線で磨かれてきた「予兆を見つける目」

 またJR東海は、車両に不具合が発生してから対処するのではなく、その予兆をとらえて事前に対応し、さらなる安全安定運行を実現させる、という取り組みを進めており、たとえば最新のN700Sでは、「台車振動検知システム」「空気バネ圧力検知システム」といった車両監視機能を搭載。得られたデータは無線で分析センターに伝送され、そこに「不具合の予兆」がないか、専門スタッフが24時間体制で監視します。

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JR東海 車両データ分析センターの小暮鉄也助役(2020年2月、恵 知仁撮影)。

 この仕組みの原点も、700系にあるそうです。かつて、そうしたデータを得て車両整備に活用するプロジェクトが、700系を中心に使ってスタート。当初はデータが出てきても、どれが「不具合の予兆」なのか、よく分からないところもあったなか、700系でノウハウを蓄積してきたそうで、「現在の車両修繕における基礎を作った車両」と、JR東海の小暮助役は言います。

 N700Sに至るまで、車両の健全性と安全安定運行の背景には、700系がこれまでつちかってきた「経験」が息づいているわけです。

【写真】先頭車同士が連結!「32両編成」の700系&N700系

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