飛行機の機内 換気はどうなっているのか? 実は2~3分で入れ替わる空気 その仕組みは
新型コロナウイルスの予防には、換気が大切であるといいます。旅客機は運航中、外の世界とは隔離されていますが、実は2分から3分で機内の空気が入れ替わるよう作られています。もちろん、そのほかにも様々な対策を講じています。
高性能空気フィルターが装備されたJAL機
新型コロナウイルスの影響が航空業界にも広がっています。JAL(日本航空)やANA(全日空)、そして日本の航空会社全般で国際線、国内線両方の減便が続いているほか、2020年3月9日(月)には、JALのCA(客室乗務員)から感染者が出たとの発表もありました。
厚生労働省はコロナウイルスの感染を予防するために、マスクの着用や手洗い、うがい、消毒、換気などが大切であると呼び掛けています。ところが旅客機の機内は、一旦ドアが閉じられると、目的地に到着しドアが開くまで、外の世界とは隔離された状態となるため、換気は難しいようにも思われます。
しかしJALによると、機内の空気はおおむね2分から3分ですべて入れ替わる仕組みになっているといいます。機内の空調は、機種によりシステムに違いはありますが、多くのモデルで機体後部の「穴」にあるAPU(補助動力装置)や、エンジンなどから取り入れられた外気の一部をもとに、常に新しい空気が作られ客室に送り込まれます。それらの空気は機内を循環したのち、圧力調整弁を通って機外に排出されるとしています。
このほか旅客機には、機内で循環する空気を清潔に保つため、高性能空気フィルターが備わっているとのことです。
もちろん、それだけではウイルス感染が起こらないとはいえないため、JALでは、国際線の一部路線における日本到着後の夜間整備で、テーブルやひじかけ、トイレのドアノブや蛇口などをアルコール消毒しているほか、CAもマスク、そして飲食サービス時には手袋も着用、さらにラウンジ提供の食事、飲み物を個包装されたものなどに変更するといった対策を講じています。
JALは「お客さまと社員の安全を最優先に考え、保健所ならびに関係地方自治体などの関係機関と連携を図り、感染拡大の防止に努めるとともに、引き続き必要な措置を適切に講じてまいります」としています。
【了】
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