全国「高速バスvs鉄道 競合区間」5選 鉄道が白旗だったり いい勝負だったり
バスの本数がスゴイ! 鉄道も「いい勝負」
高速バスの本数が1日100往復を超える区間もあります。
札幌市~小樽市
北海道では「都市間バス」の名称で、道内の主要都市間を結ぶバスが盛んに運行されています。なかでも札幌と小樽のあいだは本数が多く、北海道中央バスとジェイ・アール北海道バスが共同で、平日1日あたり小樽方面行きを119本、札幌方面行きを114本運行しています。運賃は片道620円、所要時間は1時間強です。
一方、並行するJR函館本線も、札幌~小樽間を直通する列車は1日75往復以上、所要時間は快速「エアポート」で33分と、バスの半分程度です。運賃は2019年10月に110円値上げされ、750円になりましたが、2020年3月14日(土)のダイヤ改正でJR北海道は、快速の増発や運行時間帯の拡大を実施するなど、同社のなかでも収益性の高い区間のひとつである札幌~小樽間の利便性向上に注力しています。
なお、バスの運賃も2020年4月から60円値上げされ、片道680円になります。北海道中央バスは、車両価格の上昇や雇用対策などで運行コストが増加しているためと説明しています。
福岡市~北九州市
福岡市と北九州市(小倉)のあいだは、JR鹿児島本線はもちろん山陽新幹線も通っており、列車の本数としては、今回の記事で挙げた区間とは比べ物にならないほど多いです。これに加えて、同区間では西鉄の高速バスも多く走っています。
その本数は、最も多い土曜日で1日128往復と、都市間を結ぶ高速バスとしては日本一を誇っていましたが、深刻な乗務員不足を背景に、2020年3月14日(土)のダイヤ改正で最大115往復まで減便されました。
博多駅~小倉駅間は、バスだと約1時間30分、片道運賃は1150円。対して新幹線はわずか16分で着きますが、片道運賃は通常期の指定席利用で3460円です。北九州観光コンベンション協会によると、「時間的に余裕がある学生さんや、自宅からバス停が近い人ならバス、ビジネスならば新幹線、といったところでしょうか」と話します。
※ ※ ※
バスの乗務員不足は年々深刻さを増しています。福岡~北九州間以外でも、バスの本数をこのまま維持できるかは不透明です。
【了】
個人的には中国ハイウェイバスを取り上げてほしかったな。と。
なんといっても元祖国鉄(鉄道局)が国鉄(自動車局)と競合して国鉄自動車局が勝ってしまったゆえに
その後の国鉄ハイウェイバスを方向転換する羽目になった路線ですし。
>片道運賃は通常期の指定席利用で3460円
自由席料金だと2,160円ですよね。なお土日祝だと「新幹線よかよかきっぷ」が使えて(使えるのは自由席)使用開始日当日しか使えないけど更に往復3,150円になりますね(ちなみに高速バスの往復きっぷだと2,200円、スマホ回数券(4枚。3ヶ月間有効)だと1回990円で使えますね)。
小倉~天神間は、100万都市同士、かつ同じ県内同士でありながら、在来線の便数も目減りし、日本一の便数を誇る高速バスでも輸送人員が30~40人なわけで、行き来が少ないことがよくわかる。コロナ禍でますます行き来が減り更なる減便となってしまったが、一方で地元で買い物も仕事も済ませるという習慣になりつつあるということも考えられる。そうなると都市間輸送の公共交通機関の需要は更に低くなることになるが、これ以上の輸送需要の低下が止まることを期待したい。