ポイント制度で「回数券問題」解決なるか 鉄道乗車ポイント 2020年代は変化の時代に?

たとえば11回乗ると10%還元 回数券の役割を乗車ポイントが担う?

 磁気乗車券の縮小、廃止を進めたい鉄道事業者にとって、磁気券で発行される回数券は厄介な存在です。定期券に次ぐ割引率の回数券は愛用者が多く、これを廃止しようとすれば大幅なサービス低下だとして大反発にあってしまいます。

 交通系ICカードに回数券データを格納できるようにするという選択肢もありますが、莫大なシステム改修費用が必要となるため現実的ではありません。そこで、回数券の割引の代替として、乗車回数に応じたポイント還元を拡大するといった対応策が考えられます。

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銀座線の1000系電車1001号車をデザインした、地下鉄開通90周年限定の「To Me CARD」(画像:東京メトロ)。

 現状の乗車ポイント制度の還元率は0.5%から2%程度と、あくまでもクレジットカードのポイントシステムと同等ですが、たとえば同じ区間を月11回利用した場合に、利用額の10%程度のポイント還元を行うようにすれば、回数券と同等の割引が可能になるからです。さらに利用時間や曜日に応じてポイントを付加すれば、時差回数券や土休日回数券の代替とすることもできるでしょう。

 実際、JR東日本は2019年9月、事前登録したSuicaで回数券のように繰り返し乗車すると、乗車1回分のJRE POINTが還元される新たなサービスを2020年12月以降に導入予定とすでに発表しています。このサービスの反応と定着具合によっては、回数券のポイントシステムへのシフトが一気に進むことも予想されます。

 2020年代は、鉄道のポイント還元の在り方が、大きく変わる時代になりそうです。

【了】

【図】「JRE POINT」のサービス 貯め方や使い方

Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

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4件のコメント

  1. 回数券をICカードに載せると使用途中での払い戻しが難しそうですが「バス得」みたいなものにすればそういうことは回避できますね。 
    回数券に相当するものを何らかの形でICカードに収容できれば中間改札の通過が楽です。

  2. ポイント還元や回数券廃止してまで利益が欲しいんだろうね。その前に値下げしたら?

    • 磁気券対応改札機を保守するコストも馬鹿にならない。今の運賃を維持するためにやってることだぞ。

  3. PiTaPa は導入当初から回数券のような割引がありましたが。