新型コロナ影響でJAL ANAがゼロに 航空券の買い時左右する「燃油サーチャージ」とは?
チケットを安く買うポイントにもなるサーチャージ 導入前の状況は?
燃油サーチャージが導入される前、たとえば1997(平成9)年3月期、当時のJAL、ANA、JAS(日本エアシステム。2004年にJALと合併)はいずれも過去最高の売上高を記録したにも関わらず、原油価格の上昇と、円の価値が下がっていた結果、燃料費だけでそれが相殺されてしまうという事象が発生しています。JALの経常利益、JASの営業利益に至っては、このために赤字となってしまったほどです。
このような状況が続いてしまうと、利用者が多数いるにも関わらず航空会社の経営は危ぶまれ、路線縮小や最悪倒産してしまうことも考えられたため、利用者に燃料の高騰分を一部、負担してもらうということになったわけです。
2020年6月からの燃油サーチャージの撤廃は、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大で、経済活動自体が停滞し、原油価格が大きく下落した影響を受けてのものとされています。そしてこれは、航空券の買い時を決めるうえで重要な要素のひとつです。
燃油サーチャージが適用されるのは、搭乗日ではなく発券日が基準です。つまり、いつ乗るかではなく、いつ買うかによって左右されるので、燃油サーチャージが安いうちに先々の航空券を買っておく、といった買い方ができます。今回の発表のように、燃油サーチャージがなくなる期間は、もちろんお買い得といえるでしょう。
ただし、そのあと便の変更や日程変更をしてしまうと、その変更手続きをした時期のサーチャージが上書きで適用される形になるので、変更時に購入時よりサーチャージが上がっている場合は、そのぶん多くの運賃を払うことになります。
【了】
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