インド洋東部で日米共同軍事訓練 なぜ米大使館までプッシュ? 注目すべき理由は…

自衛隊とアメリカ軍による共同訓練は年間を通し、規模の大小問わず多数が実施されています。そうしたなか、さして大規模でもなく珍しい内容でもない訓練について、なぜか在日米大使館がSNSで紹介し、一部界隈がざわめきました。

理由はやっぱり中国

 その理由は、やはり中国の海洋進出です。

 2020年4月現在、中国が海洋進出を強めているのは周知の事実ですが、その範囲は何も東シナ海や南シナ海にとどまっているわけではありません。実はこのアンダマン海やインド洋での活動も活発化してきています。

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NSM(Naval Strike Missile)はノルウェーのコングスベルグ ディフェンス&エアロスペース社が開発した対艦ミサイル(画像:レイセオン)。

 中国が海洋進出を強める理由のひとつは、原油に代表される天然資源を運ぶ海上交通路「シーレーン」を防衛することです。天然資源に関する中国の対外依存度は非常に大きく、もしシーレーンが何らかの理由で閉ざされてしまえば、中国経済は大混乱に陥ってしまいます。

 そこで現在、中国はこのシーレーンが通過するミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、パキスタンに次々と港湾設備を整備し、いざとなれば海軍を速やかに展開する体制を整えているわけです。この中国の動向は俗に「真珠の首飾り」戦略と呼ばれています。

 こうした動向に対抗するべく、日本はこの海域での活動を活発化させ、日本のプレゼンスを高めようとしているわけです。今回の日米共同訓練も、規模こそ小さいものですが、その参加艦艇、そして場所を踏まえて考えると、その意義は極めて大きいといえるでしょう。

【了】

【地図】アンダマン海と「真珠の首飾り」戦略の舞台

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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