「機内での飲酒は酔いやすい」説は本当なのか CAが講じる乗客の「飲みすぎ」防止策は

飛行機に乗っているとき地上と比べてお酒に酔いやすいという説、ANAによるとこれは本当で、ここには地上1万mを飛ぶ飛行機特有の機内環境が関わっているそうです。CAも乗客の飲みすぎを防ぐべく、さまざまな取り組みをしていました。

「地上の2倍酔いやすい」との報告も

 ジェット旅客機が巡航する高度約1万mの空気の濃さ、すなわち気圧は、地上と比べて約5分の1程度といわれており、もし万が一そのまま放り出された場合、人間はもちろん生きていけません。

 そのため旅客機の客室は気圧が高められており、人為的に地上に近い環境にすることで、高い高度を飛んでいても乗客が不自由なく過ごせるようにつくられています。

 とはいえ海抜0m、いわゆる地上とくらべると、旅客機の機内は少々特殊な環境です。機種による差はあるものの、巡航中の旅客機の気圧はおおむね富士山5合目程度に相当する0.8気圧で、空気中の酸素濃度もそれにともなって薄くなります。

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ANAの国際線主力機材のひとつ、ボーイング777-300ER型機(2020年3月、乗りものニュース編集部撮影)。

 こうした環境下から、飛行機に乗ったとき、地上と同じように過ごすと思わぬ影響が出ることがあります。そのひとつが飲酒で、巡航中にお酒を飲むと地上と比べて酔いやすくなるという説があります。

 ANA(全日空)によるとこの説は本当とのことで、一部では地上の2倍程度、酔いやすいという報告もされているそうです。

 この理由については諸説あるものの、地上と比べて空気が薄いことから体内の酸素が減少し代謝が悪くなり、アルコール分解が遅れるため、ならびに気圧が低いために末梢血管が広がり、血液循環が促進され、血液中に取り込まれたアルコールが地上よりまわりやすくなるためとしています。

 巡航中にお酒を飲むことを機内での楽しみのひとつとしている人も多いなか、旅客の飲みすぎを防ぐべく、CA(客室乗務員)はどのような対策を講じているのでしょうか。

【写真】機内であることを忘れそうなANAの最新ファーストクラス

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2件のコメント

  1. 配信停止することをお願いします。

  2. 海抜3500mを超えるところに滞在したことが何度かありますが、一升酒を飲む先輩は湯飲み一杯の酒でグダグダになってましたし、ビールをビン1本くらい飲める私はコップ一杯のビールを飲んでトイレに行ってめまいを起こしていました。山や飛行機などの気圧の低いところでの飲酒は特に気をつけましょう!!!