孤軍奮闘した空母「飛龍」のミッドウェー 却下された意見具申は命運を変え得たか?

太平洋戦争の帰趨を大きく左右したミッドウェー海戦、日本に勝ち目は全くなかったのでしょうか。壮絶な最期を遂げた空母「飛龍」と山口多聞司令官の戦いを追いつつ、勝敗の分かれ道だったかもしれないひとつの「if」を考察します。

分かれ道のひとつ? 却下された山口司令官の意見具申

 ミッドウェー海戦は、6月5日未明(現地時間4日早朝。以下特記ない限り、日時は日本時間、カッコ内併記はミッドウェー島の現地時間)、かねてからの計画通り第一航空艦隊がミッドウェー島を空爆し幕を開けます。その間アメリカ空母の出現に備えて、対艦攻撃用に雷装(魚雷を搭載)した艦攻(艦上攻撃機)も準備されていました。

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1941年11月24日撮影のミッドウェー環礁。手前がイースタン島、奥がサンド島。陸地面積は6.23平方キロメートル(画像:アメリカ海軍)。

 ミッドウェー島を空爆した部隊から「第二次攻撃の要を認む」との連絡が入ると、午前4時15分(4日午前7時15分)に艦攻部隊へ、雷装から対地攻撃用の爆装(投下爆弾を搭載)に転換する命令が出されます。ところが午前5時20分(4日午前8時20分)に、重巡洋艦「利根」が飛ばしていた哨戒機「利根四号機」から、空母らしきものを発見した旨の報告が入ります。

「直ニ攻撃隊発進ノ要アリト認ム」――二航戦「飛龍」の山口多門司令官は空母発見の報を受け、対地攻撃用の爆装のままでもよいからとにかく飛べる攻撃隊を発進させるべき、と司令部に意見具申をしています。史実ではこの意見具申は却下され、午前5時40分(4日午前8時40分)に艦攻の対地攻撃用爆装を対艦攻撃用雷装に転換する2回目の換装命令が出されています。これによって攻撃隊の発進は遅れ、午前7時22分(4日午前10時23分)、その隙を付かれて空母は次々と被弾してしまいます。

 この時、山口司令官の意見具申が通っていたら、逆転劇はあったのでしょうか。

 ミッドウェー島二次攻撃のために準備中だったのは、「赤城」と「加賀」からは九七式艦攻各18機の計36機で、「赤城」では半数以上が陸用爆弾に転換済み、「加賀」は詳細不明。「蒼龍」と「飛龍」からは九九式艦爆各18機の計36機で、全機が陸用爆弾装備でした。「赤城」「加賀」の艦攻は爆装の場合、水平爆撃しかできず(より命中精度の高い急降下爆撃は不可)、高速で移動する目標にはほとんど命中した実績が無く、対艦攻撃の成果は期待できません。

【写真】ミッドウェーの空を飛び交った日米両軍の航空機

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コメント

4件のコメント

  1. 文中に、物理的に敵空母が存在しないとか断言してるけど、フツーにインド洋にも太平洋にもいるし、なんならパナマ運河を通って大西洋からも空母が来てます。

    事実をねじ曲げて自国を貶めるとか、非国民がすることだろ。

  2. 物理的に空母が存在しない、というのは、

    ハワイ空襲~ミッドウェー海戦までの間、一、二航戦は一回も対空母戦をしていない、

    ということを言っているのでは。

  3. 航空機や搭乗員の被害は大きいにしても転装しないで飛ばしていたら

    空母がどうなっていたかの問題でしょ、誘爆しない可能性が高いから

    戦果が無いにしても空母が4隻もやられたかやられないかの分析を。

  4. 空母「鳳翔」の九六式艦攻から撮影された沈没直前の飛龍の写真ですか。大変貴重なものですね。

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