孤軍奮闘した空母「飛龍」のミッドウェー 却下された意見具申は命運を変え得たか?

太平洋戦争の帰趨を大きく左右したミッドウェー海戦、日本に勝ち目は全くなかったのでしょうか。壮絶な最期を遂げた空母「飛龍」と山口多聞司令官の戦いを追いつつ、勝敗の分かれ道だったかもしれないひとつの「if」を考察します。

「飛龍」1艦の奮戦では歴史は変わらない

 確実な戦果を見込むための、当時の司令部の判断は真っ当なもので、山口司令官の意見具申も理解できるものの、実行してもさほど歴史は変わりそうにありません。「ヨークタウン」も沈められない、さらに悪い結果となった可能性さえあります。

 敵空母の出現について草鹿龍之介参謀長が「予想していなかったわけではないが、さすがに愕然とした」と述べたことからして、ミッドウェー作戦の日本海軍はあまりに情弱であり、負けるべくして負けたのです。戦略レベルのエラーは戦術レベルではカバーできないという典型的な作戦でした。

 山口司令官は「飛龍一艦、少数の飛行機を駆って敵空母二隻に全艦隊の仇を報じ得たるいはれ(根拠)なきにあらず。体当たりでやって来い、俺も後から行くぞ」とパイロットに訓示しました。果たして攻撃隊の損耗率は40%に上ります。その後、山口司令官は言葉どおり「飛龍」と運命を共にしています。

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現地時間5日早朝に空母「鳳翔」艦載機が撮影した炎上する「飛龍」。飛行甲板前部が大きく破壊されている。この数時間後に沈没したとみられる(画像:アメリカ海軍)。

「飛龍」の軍艦旗は、脱出した機関科員が持ち出したものの、アメリカ軍に捕虜として収容される前に海中投棄されました。山口司令官の少将旗は、広島県呉市の呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)に展示されています。

【了】

【写真】ミッドウェーの空を飛び交った日米両軍の航空機

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

4件のコメント

  1. 文中に、物理的に敵空母が存在しないとか断言してるけど、フツーにインド洋にも太平洋にもいるし、なんならパナマ運河を通って大西洋からも空母が来てます。

    事実をねじ曲げて自国を貶めるとか、非国民がすることだろ。

  2. 物理的に空母が存在しない、というのは、

    ハワイ空襲~ミッドウェー海戦までの間、一、二航戦は一回も対空母戦をしていない、

    ということを言っているのでは。

  3. 航空機や搭乗員の被害は大きいにしても転装しないで飛ばしていたら

    空母がどうなっていたかの問題でしょ、誘爆しない可能性が高いから

    戦果が無いにしても空母が4隻もやられたかやられないかの分析を。

  4. 空母「鳳翔」の九六式艦攻から撮影された沈没直前の飛龍の写真ですか。大変貴重なものですね。

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