三菱重 スペースジェットに「新たな一手」 激動する世界の航空産業地図はどう変わる?

その頃ボーイングとエンブラエルは…

 ボンバルディア・エアロスペースに代わって、世界第3位の民間航空機メーカーの座に就いたのが、ブラジルのエンブラエルです。

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2020年2月に開催された「シンガポールエアショー」で展示された、エンブラエルE195E-2(竹内修撮影)。

 同社は2018年7月に、日本国内でもJALグループやフジドリームエアラインが運航しているリージョナルジェット機「Eシリーズ」を含めた民間航空機部門を、ボーイングが80%、エンブラエルが20%の株式をそれぞれ所有する新会社「ボーイング・ブラジル・コマーシャル」に移行すると発表し、世界の航空業界に大きな衝撃を与えましたが、その発表を知って最も大きな衝撃を受けた企業が、三菱重工業であったのではないかと筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は考えています。

 ボーイングと三菱重工業は、ボーイングがスペースジェットのサポートをする契約を締結しています。そしてボーイングは上述の、エンブラエルの民間航空機部門について事実上の買収を決定した際に、今後もスペースジェットのサポートは継続すると明言していましたが、スペースジェットと競合するEジェットを自社のラインナップに組み込む以上、そのサポートは限定的なものになると見られていました。

 また三菱重工業、さらにいえば日本における航空産業の、民間航空機部門の売り上げは、そのかなりの部分がボーイングの下請け受注によるものですが、ボーイングがエンブラエルの民間航空機部門を買収することにより、これまで日本が獲得していた下請け受注が、ブラジルに移されることも危惧されていました。

 しかしボーイングは2020年4月24日に、エンブラエルとのあいだで進めていた「ボーイング・ブラジル・コマーシャル」の設立交渉を打ち切ると発表して、再び世界の航空機業界を驚かせています。

【図解】どうなってるの? 「スペースジェット」の最新状況

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コメント

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1件のコメント

  1. どうだろうな。
    そもそも開発開始したぐらいは5000機の需要と推定していて、500機売ればトントン、それを超えると黒字で回ると推定した話が、何回も延期を繰り返して開発費用も上がる一方。
    今はこの数字は分からないが、コロナショックで需要が減る一方、開発費がかさんで、下手をしたら予想する需要を全部MRJで売っても赤になる笑えない状況もありうるわけで、サポート網が手に入った一方で、CRJシリーズのサポートだけでMRJの足を引っ張る可能性もあるわな。