列車の発車が最も少ない駅は? 1日1回の新十津川駅廃止 そのあとは…18きっぷの難所も

「発車本数の少ない駅」大都市の工業地帯にも

 川崎市の工業地帯に位置する鶴見線の大川駅(川崎区)は、旅客列車の発車本数が平日は9本ですが、土休日は3本だけ(いずれも鶴見行き)。駅の周辺は日清製粉や昭和電工、三菱化工機の事業所や工場が並んでいて利用客の多くが通勤やビジネスであるため、それら企業が営業や操業を停止する土休日は、列車の本数が絞られるというわけです。

 しかしその土休日に、公共交通機関で同地へ来るのは困難なのかというと、そうでもありません。川崎駅と日清製粉前(大川駅至近)を結ぶ川崎鶴見臨港バスの「川27」系統が、平日、土休日とも1時間に1本から2本、走っています。列車に乗り損なっても現地で身動きが取れなくなる心配はなさそうです。

 ちなみに大川駅の1日あたりの乗車人員は、同駅を含む鶴見線の無人駅は正確な数値が取れないことを理由に、2009(平成21)年度以降JR東日本横浜支社から公表されていません。最後に公表された2008(平成20)年度のデータでは1009人です(川崎市統計書平成21年版)。

 本数の少ない大都会の駅は西にも。山陽本線の兵庫駅からのびる支線、通称「和田岬線」の和田岬駅(神戸市兵庫区)における1日あたりの発車本数は、平日17本、土曜12本ですが、日曜や休日は2本だけ。こちらも大川駅と同様、通勤客数に合わせた本数設定です。JR西日本よると2018年の1日あたりの乗車人員は4800人で、そのうち94%が定期券を利用しています(兵庫県統計書平成30年)。

 この和田岬駅も、神戸市営地下鉄海岸線が通っており、さらに路線バスも発着しているため、三宮などからのアクセスは容易です。

【了】

【画像】新十津川駅の寂しい時刻表

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。