保険の仕組み大転換「ヒトにつく乗りもの保険」検討 自転車や公共交通での事故も補償

世の中の変化に大きな危機感 実現は遠い未来にあらず

 このような保険を開発する背景には、クルマを持たずにレンタカーやカーシェアといったシェアサービスに軸足が移っていくという、「所有から使用へ」という価値観や行動の変化があるそうです。

「現在、当社の売上の50%は自動車保険が占めていますが、今後、クルマを手放す人が増えると考えられ、大きな減収につながる恐れがあります。しかしながら『乗りもので移動する』ことに変わりはないのです」(損保ジャパン)

 近年、自動車業界では「CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)」の流れが進んでいるほか、複数種類の公共交通やシェアサイクル、カーシェアなどをひとつのサービスとして提供する「MaaS(マーズ。移動のサービス化)」といった概念が、今後の目指す方向といわれます。それらの進展を見越し、あらゆる移動手段に対応する商品が必要になると予想したことから、今回の保険の開発につながったといいます。

 その仕組みとしては、レンタカーやバス、電車、自転車などの利用状況を、スマートフォンに搭載されている各種センサーのデータから取得し、保険料を割り出していくといいます。ちなみに損保ジャパンによると、スマートドライブは位置情報データから、その人がバスか、クルマか、自転車に乗っているかを判別できる技術を持っているのだとか。

「多くのお客様は、移動手段ごとのリスクを認識されていません。自転車保険が最近になって、高額な賠償例などが知られるようになり加入の進んだことが好例です。目指すのは、リスクを認識していなくても、何かあれば勝手に補償される、というものです」(損保ジャパン)

 この「ヒトに紐づくモビリティ保険」、2022年中にも提供を開始したいといいます。代理店経由ではなく、スマートフォンなどから、個人が直接契約する形を想定しているそうです。

【了】

【画像】「ヒトにつくモビリティ保険」のイメージ図

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