安い! 広い! 走りやすい! 「第三京浜」なぜそうなった 首都高横浜北西線の影響は?
他路線と比べて料金安すぎ? 引き上げられても「激変緩和」
第三京浜のもうひとつの大きな特徴は、ほかの道路と比べても安い料金です。普通車料金は、玉川IC~保土ヶ谷IC間16.4kmの全線を走破した場合390円ですが、たとえば東名の東京IC~横浜町田IC間19.7kmの場合は800円。1kmあたりの料金は、前者が24.6円、後者が36.6円に設定されています。
NEXCO東日本関東支社によると、玉川IC~保土ヶ谷IC間の普通車料金は、1965(昭和40)年以来、長らく150円でした。もともと第三京浜は、全国の路線で料金がプールされる東名などの高速自動車国道と異なり、路線単独で独立し、開通当時の料金体系が長く引き継がれたのです(現在は全国路線の運賃プールに組み込まれている)。
1995(平成7)年、都筑ICの新規開通にともない、その建設費分として250円に値上げされ、さらに2016年、国主導の「首都圏の新たな高速道路料金」として、路線ごとの料金体系の統一化が図られました。しかし、1kmあたり15.7円だった第三京浜の料金は、本来36.6円まで引き上げられるべきところ、「激変緩和措置」として24.6円に設定され、現在に至っています。なお、2019年10月の消費税増税時も、普通車に関しては料金を据え置かれているとのことです。
東京側の起点が長らく中途半端な位置にある第三京浜ですが、首都高横浜北西線が新たに開通したことで、利用の幅は広がりました。6月14日(日)の午前11時台に下り線を、14時台に上り線を走破したところ、特に渋滞はなかったものの、上りの港北IC出口に関しては、道路情報板に「出口渋滞発生中」と表示され、本線近くまで車列ができていました。このICは横浜北西線につながるほか、周囲に大型商業施設も点在している場所です。
前述の通り、2020年前半期は新型コロナウイルスの影響で高速道路の交通量は減っていますが、首都高速道路は6月現在、北西線の開通効果を近く取りまとめ、発表するつもりだといいます。
また現在、東名以南のルートが検討されている外環道も、第三京浜へ接続する予定で、将来的にその姿は変わってきそうです。
【了】
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