「Go To キャンペーン」で高速バス復興なるか 活用には工夫が必要 その中身&その先

新型コロナウイルスの影響により衰退した経済再生の刺激策として、政府主導で実施される「Go To キャンペーン」の全貌が見え始めました。観光や宿泊業だけでなく交通にも恩恵は大きそうですが、活用には事業者の工夫も必要です。

ツアー以外では少ない「高速バス+観光」パック

 高速バスは、東京から富士五湖、大阪から有馬温泉といった観光地への路線も充実しています。地方在住者が、コンサートや有名店でのショッピングのため都市へ向かう利用も多く、広い意味ではこれも観光需要といえるでしょう。

 しかし、旅行会社に「お任せ」するバスツアーと違い、宿や観光を自身で予約する乗客がほとんどです。そのため、今回のキャンペーンの対象である「旅行会社で、高速バスと観光をまとめて予約」という例が意外と少ないのが現状です。

 旅行会社がセット商品を用意すればいい、と思われるかもしれません。確かに、店頭で「〇〇温泉へのバスと宿の予約を」と伝えれば、スタッフが手配してくれます。しかし、いちいち個別に手配するのは、旅行会社としては手間のわりに儲けがありません。一方、パッケージ商品をあらかじめ組むには、両者の在庫(座席と客室)を旅行会社が事前に確保するか、またはITシステムを連携させる必要があります。普段、高速バスの乗客はウェブなど自身で手配する人が多いので、多くの旅行会社は、そこまでの準備をしていません。

 両者の商習慣も異なります。旅行会社は、年度を上期と下期に分けて商品を作り、おおむね半年先までの予約を受けています。一方で高速バスは、1か月前(前月の同日)の予約受付開始が一般的です。航空などを利用するパッケージ商品を作る際、旅行会社は「〇時から〇時ごろ発」として予約を受けておき、利用する便が確定してから旅行者に伝えることが一般的です。しかし、高速バス事業者と旅行会社のあいだには、「おおよその時間帯で予約を受けておき、後日に確定」という習慣はなく、ITシステムも対応していません。

Large 20200705 01
富士急グループでは高速バスと富士急ハイランドフリーパスのセット券を販売している(画像:富士急行バス)。

 それでも、大手私鉄系の旅行会社では、パッケージ商品を用意している例があります。たとえば京王観光は、京王バス東などが運行する高速バスと、河口湖温泉(山梨県富士河口湖町)や昼神温泉(長野県阿智村)の旅館をセットにした「バス&宿」シリーズを用意しています。この商品は、そのままで「Go To キャンペーン」割引の対象になると考えられます。

【画像】「Go To キャンペーン」の対象となる旅行商品

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 寝台夜行列車がもっとあれば話は早い。

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  4. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  5. バス運転士「辞めないで」 東京都が“給与の手当”を10年間補助! 独自の定着支援で「路線廃止」を防ぐ
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開