もはや別物! A-10「サンダーボルトII」最新型は40有余年の時を経て「完成」の域へ

運用開始から40年以上が経過したA-10「サンダーボルトII」ですが、もちろんそのあいだに改良されており、最新型になると初期型とはもはや別物です。そしてようやく、当初のコンセプトどおりの運用が可能になったともいえるでしょう。

まだまだ飛ぶよ! A-10「サンダーボルトII」最新版はC型

 アメリカ空軍の攻撃機A-10「サンダーボルトII」は、抜群の火力を発揮する30mm機関砲、チタニウム合金による重装甲、低速ながら長時間の空中待機能力を持ち、また独特の形状もあって多くの軍用機ファンから絶大な支持を集める人気機種となっています。

Large 200629 a10c 01

拡大画像

近代改修型A-10C。IT化によって情報収集能力が大きく改善された。右翼端から2番目の兵装搭載ステーションにライトニング照準ポッドを搭載する(画像:アメリカ空軍)。

 簡素で頑丈、安価で武骨なA-10は「漢(おとこ)の乗りもの」である、として愛する人も少なくないようです。確かに初期型のA-10Aはこうした攻撃機だったといえるかもしれません。しかしながら2020年7月現在は、全機がA-10Cと呼ばれる高性能攻撃機へ近代化改修され、大きく性格が異なる近代的な航空機へと生まれ変わっています。

 A-10Cの対地攻撃能力は、A-10Aとは比較にならないほど向上しました。とはいっても約7tの兵装搭載量や約800km/hの速度性能も変わっていません。何が変わったのかというと、A-10CはIT化され「スマートになった」ということです。具体的には「赤外線前方監視装置(FLIR)」や「統合戦術情報分配システム(JTIDS)」の搭載が挙げられます。

 赤外線前方監視装置は「スナイパー」または「ライトニング」と呼称する映像センサーであり、これによってA-10は昼夜を問わず監視対象の映像を取得することが可能となりました。また映像は動画として地上へリアルタイム送信することができ、A-10Cは偵察機としても機能します。

【写真】世界中で売れまくり! 「持たざる者のためのA-10」スホーイSu-25

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。