駅長の次に「エラい」のは誰? 鉄道現場の階級と役割 制帽のラインで見分けられるかも

進む合理化と効率化 駅長もAIが担う時代が来る?

 一般企業のサラリーマンは、たとえ社長と平社員でもスーツを着ているだけでは職位の区別がつきませんが、鉄道の駅員は制帽を見れば職位が分かるかもしれません。これも事業者によって様々で、制服改定の時に変更されることもあるので一概にはいえませんが、もともと赤線の入った帽子は、運転取扱業務を行える立場を表すとされます。

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駅で案内を行う人型ロボット「Pepper」。将来的には駅員も人間ではなくなるかもしれない(2016年2月、恵 知仁撮影)。

 そのため、駅員の帽子には赤線が入っていることが一般的ですが、乗務員や新人の駅員には赤線がないことが多いです。ほかにも駅長や助役の帽子には金色の線が入っていることも特徴で、立場によって本数や太さが違っていたり、さらには制服の袖章にも違いをつけたりしている事業者もあります。

 かつては多くの駅に駅長室があり、様々な権限を持つ駅長は鉄道組織でも「一国一城の主」として、そして地元の町の顔としても威厳のある立場だったといいます。しかし時は流れて鉄道にも先述のような合理化、効率化の波が押し寄せてきています。

 2020年3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)は、AI駅員が登場したことも話題となりました。システムだけでなく職制や職位にも多くの変化が出ている現代、鉄道でも駅長の役割が形骸化し、近い未来に「AI駅長」なるものが誕生するかもしれません。

【了】

【写真】会津鉄道の猫駅長

Writer: 西上いつき(鉄道アナリスト・IY Railroad Consulting代表)

大阪府出身。大学卒業後、名古屋鉄道にて運転士・指令員として鉄道運行に携わる。退職後、シンガポールの外資系企業にて国際ビジネスに従事。帰国後は東京を拠点として活動し2019年にIY Railroad Consulting設立、コンサルティング・セミナー・海外向け鉄道関連事業等を行う。東京交通短期大学・特別講師。著書に『電車を運転する技術』。

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コメント

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2件のコメント

  1. 女性専用車両に男性が乗ってると列車を遅延させてまで男性を降ろそうとして遅延の責任を男性に負わせようとする犯罪駅長もえらいのか?
    この類の遅延に何度出会したことか!
    しかもお客様対応とか?
    今度はこちらが駅員を対応してやろうか?

  2. 阪急電鉄のように、直接雇用に戻した例もあるが、最近では、子会社などが採用した駅員や運転士や車掌を使っていて、その鉄道会社が直接雇用した社員ではないケースが増えている。