北陸新幹線「敦賀開業」で高速バスどうなる? 競合環境の激変 過去にはプラスの影響も

2022年度末に北陸新幹線の金沢~敦賀間が延伸開業します。長野~金沢間開業時にも、高速バスは金沢方面の路線を中心に大きな影響がありましたが、このような競合環境の激変にどう対応してきたのでしょうか。

新幹線延伸の激変に対応遅れたケースでは…?

 このように新幹線の延伸が、並行する高速バスの長距離路線でマイナスに、短距離路線でプラスに働く傾向は、九州新幹線の博多~新八代開業(2011年)などでも見られました。

 北陸新幹線の金沢延伸では、高速バスにプラスになったケースがもうひとつありました。それは、名古屋と富山県との流動です。この区間の鉄道は、所要時間の長い高山線経由を除くと、金沢で乗り換えが必要になったからです。高速バスの名古屋~富山線、高岡・氷見線などが増便を繰り返しました。

Large 20200818 01
富山地方鉄道の富山駅前バスターミナル。一部の高速バスもここへ発着する(画像:Suradeach Seatang/123RF)。

 新幹線開業などで競合環境が一変すれば、当然、高速バス事業者はそれに対応する必要があります。しかし、共同運行会社間の調整も必要で、なかなか決断に至りません。2010(平成22)年、東北新幹線の新青森延伸で影響を受けた仙台~青森線がその例です。

 同路線が開業した1989(平成元)年当時、新幹線は盛岡止まりで、青森へは在来線特急に乗り換えが必要でした。その乗り換えを含む所要時間は4時間弱。高速バスは5時間弱だったので、十分な競争力を持っていました。その後、新幹線は八戸延伸を経て新青森まで開業し、乗り換えが不要になったうえ、仙台~新青森が1時間35分程度まで速達化しました。

 その間、高速バスは所要時間も変わっていなければ、鉄道の5~6割という運賃水準もそのままです。しかし、所要時間の差が1時間だった当時と、3倍の差が付いてしまった今では、全くの別路線だと考えられます。

 しかし、決断できないままずるずる減便を繰り返し、3往復まで半減しました(2020年8月現在、新型コロナウイルスの影響で2往復のみ運行中)。運行頻度は昼行路線において最も重要な利便性の指標です。姉妹路線である仙台~弘前線と早めに統合し便数を確保すべきだったと考えられます。以前は幅広い客層の利用があったものの、今では、特に価格を重視する人に限定され、所要時間は二の次だからです。

【路線図】北陸新幹線だけじゃない! 同時期に延伸する「中部縦貫道」の影響

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 海自「イージス艦の相棒」が火を噴いた!ミサイル発射の瞬間を防衛省が公開 “強力な防空能力”を持つ汎用護衛艦
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開