栃木で現役! ホンダ「NSX」パトカー 伝説のMRレイアウト2シーターゆえのトホホ話も
低姿勢の2シーター車ゆえ使い勝手はイマイチ
初代「NSX」パトカーは、排気量3000㏄のV型6気筒エンジンを積んだ「NA1」というタイプでした。しかし同車は使用中の事故で廃車に。その後継として現行「NSX」が改めてホンダから寄贈されたのです。
初代と2代目のあいだに、「NSX」自体がマイナーチェンジし、タイヤサイズの大径化などとともにエンジン排気量が200㏄アップしたため、現用の「NSX」パトカーはこの3200㏄V型6気筒自然吸気エンジンを積んでいます。
またパトカーへ改造されるにあたり、屋根上の赤色灯も初代のバータイプから2代目ではブーメラン型に変更されるなどしています。
他の都道府県警でも例のない「NSX」パトカー、交通安全に関するPR効果や、違反に対する抑止効果は抜群のようですが、使い勝手となると話は別のようです。なぜなら「NSX」は2シーターで後部座席などないため、違反者を車内に収容する場合、助手席に乗せるほかなく、そうなると2名一組で行動する警察官は、どちらかひとりが車外で待機する形になります。
また天井が低く、シートも体の固定機能を高めた、いわゆるバケットシートのため、警察官がヘルメットを被って各種装具を着用すると窮屈、トランクルームも一般のパトカーと比べて狭いため、パイロンや旗を積むのもひと苦労とのこと。
そのため、どうしても用途はイベントなどに限定されてしまうようです。とはいえ、そのスタイリングと知名度から、前出のとおり広報効果としては抜群のため、何度か所属は変わっているものの、終始ナンバープレートは「・110」の希望ナンバーを付け、使用され続けています。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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