JALグループ新LCC「ZIPAIR」客ゼロで路線拡大なぜ? コロナ禍で貨物のみ 社長に聞くその必要性

ジップエア ホノルル線展開への最も大きな壁とは

 ジップエアが、乗客がゼロでも成田~バンコク線や成田~ソウル線に飛行機を飛ばす理由、そこには冬ダイヤ初日となる10月25日(日)から開設する成田~ホノルル線、そしてその先の北米線展開を見据えているからでしょう。

 とはいえ、ホノルル線についてはアメリカ運輸省などの認可はすでに降りているものの、実はまだ太平洋を越えて、アメリカへ行き来する国際線を飛ばすには、越えなければいけない壁があります。

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JALのボーイング787型機(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 ジップエアが保有するボーイング787型機は、エンジン2発の「双発機」です。かつて双発機は、洋上を長時間通る国際線フライトは許されていませんでした。というのも、かつて一般的だった4発機と比べて、まわりに空港がない洋上エリアで、エンジンが片方止まってしまった場合のリスクが、3発機や4発機と比べて大きいからです。

 ただ、近年はエンジン1発あたりの出力や信頼性が向上したこともあり、一定条件を満た場合に限って、いわば例外的にそういった区間での飛行を認めるようになりました。これが双発機による長距離進出運航距離、通称「ETOPS(イートップス)」です。

「ETOPS」には細かな規制が設けられており、たとえばエンジン1発で330分間飛べる、と想定される場合は、「ETOPS330」といったように表されます。

「ETOPS」は、国際民間航空機関(ICAO)が取り決めをしているものの、日本国内における「ETOPS」は、航空会社ごとに国土交通省が定める基準を満たし、認可をうける必要性が生じます。

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