全く名前負けしてない陸自「高機動車」どんなクルマ? トヨタ「メガクルーザー」原型

「高機動車」実際に乗ってみたら…?

 高機動車は、取材陣の足として使用される車両でもあります。筆者(矢作真弓/武若雅哉:軍事フォトライター)も何度か乗車しましたが、先行する1/2t小型トラック(通称:パジェロ)が大きく揺れるような場所であっても、高機動車はスムーズに進むことができます。

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120mm重迫撃砲をけん引している第2普通科連隊の高機動車(武若雅哉撮影)。

 これはサスペンションの違いで、パジェロは板バネを使用していますが、高機動車はダブルウィッシュボーン式サスペンションという、いわゆるスポーツカーやレーシングカーで使用されている、上下2組のアームでタイヤを支える機構となっています。そのため、路面の状況に関わらず、安定した走りが可能なのです。もちろん乗り心地は快適で、後部座席の下部にはヒーターも装備されていることから、冬場は思わずうたた寝してしまうほどです。

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2018年に発生した胆振東部地震で厚真町役場に派遣された第7通信大隊の高機動車(武若雅哉撮影)。

 数多くの可能性を秘めた高機動車は、1993(平成5)年に初回分が導入されてから、全国の部隊で約2500台以上が配備されています。そのため、駐屯地や演習場周辺で見かける機会が多いクルマであるともいえます。

 いずれコロナウイルス感染症が収束し、自衛隊のイベントが再開されるようになれば、高機動車の一般体験搭乗も行われるでしょう。このように我々、一般人が比較的乗ることのできる自衛隊車両としても注目の存在である高機動車ですが、もし街中などで見かけたら、それが通常型なのか、派生型なのか見極めてみるのも面白いでしょう。

【了】

【写真】陸自とはひと味違うかも 空自や国交省の「メガクルーザー」

Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

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1件のコメント

  1. パジェロが板サスって・・・