自衛隊ヘリの「アシ回り」どう決まる? 雪でもないのにスキー装着のワケ

雪積もる山岳地から洋上の海面まで、ヘリコプターは様々な所で運用できるよう発展してきました。とはいえ、それらの場所で運用するためには相応の装備が不可欠な場合も。なかには、雪山でもないのにスキーを履いて飛ぶこともあります。

スキー着けるか否かは運用環境の違い

 しかしながら、陸上自衛隊と同じくヘリコプターを多用する海上自衛隊や海上保安庁では、スキーを付けた機体はほとんど見られません。おそらく、これら2機関のヘリコプターは、基本的に基地や艦上での運用を想定しているのに対し、陸上自衛隊は野外(野戦)での運用も考慮しているからだと思われます。

 ちなみに航空自衛隊のヘリコプターは、運用こそ海上自衛隊と同じく基地を拠点にするものの、積雪の多い山頂に位置するレーダーサイトなどで離着陸する必要性から、スキーを履きます。こんなところにも運用環境の違いが表れているといえるでしょう。

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海上保安庁のベル412型中型ヘリコプター。赤い矢印で示したものが「エマフロ」と呼ばれる膨張式フロート(画像:海上保安庁)。

 スキーの装着は着陸装置の車輪方式、スキッド方式により難易度が変わります。車輪方式の場合は車輪も使えるようにしつつ装着するので構造が少し複雑で装着に1日から2日ほどかかるのに対し、スキッド方式の場合は半日ほどで装着できるそうです。

 なお日本国内の車輪方式のスキーで少し変わっているのが自衛隊の保有するUH-60Jです。この機種ではホイストによるレスキューも考えられているので、スキーを折り畳むことができます。

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