自衛隊の顔「軽装甲機動車」の後継はどうなる? コマツ撤退から1年半 その現状は…?
「軽装甲機動車」後継選定の現状は? 候補と目されるものは…?
こうした理由から防衛省と陸上自衛隊は軽装甲機動車を後継する車両として、外国企業が開発した車両の導入も検討しています。防衛装備庁は2019年10月に、この後継候補となり得る車両の調査などを行なう「小型装甲車に関する技術資料の作成業務」を、三菱総合研究所に委託しました。
筆者が取材したところによれば、防衛装備庁は調査対象とする車両の条件として、4名以上の乗車が可能で、火器、弾薬、所要の補給品などを積載できる構造であること、車体幅2.6m未満であること、車体長6.5m未満であること、最大100km/h以上であること、CH-47輸送ヘリコプターによる懸吊(けんちょう)が可能であることなどを挙げています。
また外国製品に関しては、アメリカ、オーストラリア、トルコ、スイス、イスラエルの調査を必須としており、1か国以上(イスラエルは必須)を訪問することも求めています。
三菱総合研究所がどのような外国製車両の調査を行なっているのかは不明ですが、おそらくアメリカ陸軍が現在、運用している汎用四輪駆動車「HMMWV(ハンヴィー)」の後継として採用した「JLTV」やオーストラリア陸軍が運用している「ハウケイ」、2019年11月に幕張メッセで開催された防衛・危機管理総合イベント「DSEI JAPAN 2019」に実車が出展されたトルコの「NMS 4×4」、同展示会で模型が展示された、スイス陸軍などが採用している「イーグルⅣ」といった車両が調査されているものと考えられます。
防衛省と陸上自衛隊はその調査結果を踏まえた上で、令和3年度予算にて複数の外国製車両を購入し、評価試験を経て、軽装甲機動車の後継車両を選定することになると、筆者は思います。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
昔、機甲科の○川陸将が「50m以内での小銃弾は防げないから敵を50m以内に接近させてはいけない」と言っているのを思い出した。
メガクルを作ったトヨタなら出来るだろうが、三菱からみで、三菱自動車にやらせたらどうだろうか。