「大江戸線 のばして!」官民猛アピールの練馬区を歩く バス天国な現地 延伸で何が解決?

バスが集中する「土支田通り」の渋滞、地下鉄で解消なるか?

 前出の通り、大江戸線は光が丘から「大泉学園町駅」まで、2022年頃の全線開通が予定されている都市計画道路「補助230号線」の下を通る予定です。現在は土支田地区の1.5kmほどが都道として暫定開通しており、途中には大きな看板が目印の「土支田駅前広場予定地」もありますが、その西側で道路は終点に。その先では道路工事の車両がせわしなく動いています。

「土支田駅」周辺

 この地域を走るバス路線で特に利用者が多いのが、西武池袋線の石神井公園駅から土支田地区を縦断し、東武東上線の成増駅までを南北に結ぶ「石02・石03」系統(国際興業・西武バスの共同運行)です。

 平日日中でも1時間あたり6本から10本、大型車を中心に運行されていますが、途中の「土支田通り」は歩道もない区間が多く、バスのすれ違いにもヒヤッとするほどの道幅で、自動車の流れ(旅行速度)としては20km/hを下回るほどの渋滞に悩まされています。バスを待っていた地元の方によると、朝晩に乗車する際は時間が読めないため「早めに家を出る」以外の選択肢がないとのこと。

 かたや大江戸線の延伸コースに沿って東西に走る「土支田循環」(西武バス/光が丘駅~土支田)や、練馬区が運営する「みどりバス保谷ルート」(光が丘駅~保谷駅)は、車両もひとまわり小さく、本数的にもやや陰が薄い状況です。大江戸線が延伸される際には、いま南北移動のバスで西武池袋線を利用する人々をどこまで取り込めるかも重要となるでしょう。

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土支田通りをゆく石02系統。国際興業バスと西武バスが大型車で共同運行(2020年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

「大泉町駅」周辺

 補助230号線は、大泉町のもみじやま公園周辺で外環道と交差しますが、この交差地点付近に大泉町駅が設けられる予定です。周辺は起伏が多い丘陵地帯。新しい道路と地下鉄によって、ワゴン車でも難渋するほど狭く行き止まりも多い住宅街の交通事情は大きく改善されることでしょう。

 大泉町駅予定地の周辺は「生産緑地地区」の指定を受けた農地も目立ちますが、1992(平成4)年の「生産緑地法」施行時に指定の条件であった「30年間の営農利用」の満了が目前に迫る地域も多く、道路と鉄道をきっかけに土地用途の転換が進むかもしれません。

【地図】大江戸線 延伸区間の地図 練馬区内には新たに3駅

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コメント

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4件のコメント

  1. むかし西武の飯能の近くに「都市高速鉄道8号線の飯能駅への乗り入れを」といった立て看板が立っており、まさかと思ったものですが、実現しましたね。

  2. 混雑がひどくなるから延伸する必要はない。
    しかも都営地下鉄なのに埼玉に伸ばすのもおかしい。

    • 混雑がひどくなるってことは需要があるってことじゃないかな。必要性があるってことじゃないかな。都営だから都外に出るのはおかしいって本八幡の立場は?

    • 混雑するくらいなら延伸するべき。首都圏の鉄道に盲腸線はいらない。
      そもそも埼玉延伸区間を東京都が運営するって話ではなく、基本的に埼玉高速鉄道方式でやるだけの話
      こんなところで縦割りを持ち出す方がおかしい