「大江戸線 のばして!」官民猛アピールの練馬区を歩く バス天国な現地 延伸で何が解決?

南は渋滞、東西は道路なし? 「大泉風致地区」に地下鉄は届くか

 補助230号線は、起伏の多い大泉町駅予定地の周辺を過ぎると一転して平坦な「大泉学園町」エリアに入っていきます。

「大泉学園町」駅周辺

 大泉学園町は、東京都内なら二子玉川や田園調布などと同じ「風致地区」に指定され、多くの場所では幅6m程度の道路が規則正しく整備されています。藤沢周平や五味康祐といった文豪が居を構えていた街はとても閑静ですが、土地の用途などに制約が多く、少なくとも多層階のマンションが続々と建設されるような大規模な再開発は考えにくい地域でもあります。

 この地区のメイン交通は、南北を貫く片側1車線の「大泉学園通り」を走るバスです。大江戸線 大泉学園町駅の設置が予定されている「大泉風致地区」バス停近辺から北への行き先は「新座栄」「朝霞駅」「成増駅」「都民農園セコニック」などさまざまですが、南側では、それら路線が西武池袋線の大泉学園駅に集中しています。多いときで1時間あたり30本程度のバスがいっせいに駅へ向かうため、バス渋滞を引き起こす要因ともなっています。

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延伸予定地の周辺で小型車にて運行される西武バス「泉38」系統(2020年9月、宮武和多哉撮影)。

 しかし、南北のバスの充実ぶりとは対照的に、東西方向はバスがまともに走れる道路自体が極めて少ない状況です。幹線道路から遠い地域は特に狭隘路しかないうえ、その幹線道路が渋滞することもあり、住宅街が抜け道にもなっています。乗客が多い西武バスの「泉38」系統(大泉学園駅~長久保)は、道路幅や輸送能力の関係で運用に就ける車両が確保できず、逆に減便されるという皮肉な事態も起きています。

 なお、この地域の北側は埼玉県に接しており、東上線までは距離があります。南の大泉学園駅方面は渋滞、東西にはバスが走れる道路自体が少ないという大泉風致地区の抜本的な交通改善は、やはり「補助23号線の開通と地下鉄の延伸」しか残されていないのかもしれません。

【地図】大江戸線 延伸区間の地図 練馬区内には新たに3駅

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コメント

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4件のコメント

  1. むかし西武の飯能の近くに「都市高速鉄道8号線の飯能駅への乗り入れを」といった立て看板が立っており、まさかと思ったものですが、実現しましたね。

  2. 混雑がひどくなるから延伸する必要はない。
    しかも都営地下鉄なのに埼玉に伸ばすのもおかしい。

    • 混雑がひどくなるってことは需要があるってことじゃないかな。必要性があるってことじゃないかな。都営だから都外に出るのはおかしいって本八幡の立場は?

    • 混雑するくらいなら延伸するべき。首都圏の鉄道に盲腸線はいらない。
      そもそも埼玉延伸区間を東京都が運営するって話ではなく、基本的に埼玉高速鉄道方式でやるだけの話
      こんなところで縦割りを持ち出す方がおかしい