高速バスで各地を旅したら以前と全然違った… コロナ禍で何がどう変化したか

新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない現在の日本。公共交通機関もその影響は大きく、こと都市間交通の一役を担っている高速バスにいたっては、かつてないほどです。その日本を高速バスで改めて旅をしてみたところ、以前と違った姿がありました。

新型コロナ感染拡大の影響が長期化する高速バス

 新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない状況のもと、公共交通機関への影響は長期化しています。なかでも、通勤・通学需要が戻りつつある都市内交通とは違い、新幹線や航空機、高速バスといった都市間交通は、「Go Toトラベル」が本格化した2020年10月以降、持ち直しつつあるとはいえ、数字的には悲惨といっていい状況です。とりわけ高速バスにいたっては、利用者、運送収入ともに昨年比で激減というニュースを今年春頃からよく目にします。

 では、なぜこのようなことになっているのでしょうか。高速バスに限って改めて整理すると、主な要因は次のように考えられます。

(1)長期間運休している路線が、まだそれなりに多い。
(2)出張・レジャーの自粛傾向がいまだに続いている(過度なリスク認知とこれにともなう行動自粛)。
(3)「バスは3密である」「クラスター発生源になるのでは?」という誤解の蔓延。

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利用者が少ない状況が続くバスタ新宿(須田浩司撮影)。

(1)の長期間運休路線については、2020年7月下旬に多くの路線で通常運行まで回復したものの、再度の感染者数増加を受けて再度運休した路線が、それなりの数にのぼっています。一部の路線では、年末年始の長期休暇にあわせて運行を再開する動きもありますが、冬場の感染再拡大の懸念を考えると、みたび運休する路線や運行再開を中止する路線が出てくる可能性もあります。

(2)の「出張・レジャーの自粛傾向」については、社会全体が新型コロナウイルスを正しく理解し、行き過ぎた行動自粛を緩める必要がある一方で、冬場の感染再拡大の懸念を考えると、コロナ禍前の状態に戻るまでには相当の時間を要する(もしくは完全に元には戻らない)かもしれません。

(3)の「バスは3密である」「クラスター発生源になるのでは?」にという誤解の蔓延については、車内で会話しながら食事するなどしない限り、交通機関の車内空間そのものの感染リスクは小さいということが分かっているにもかかわらず、これらの理解が必ずしも浸透していない(誤解を解くための情報発信が足りていない)印象を受けます。

【写真ギャラリー】コロナ対策で大きく変化した高速バス車内

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2件のコメント

  1. TVでGoToは需要の先食いなのではないかと言っていた。出かけるならあの公衆衛生に逆行するキャンペーンが終わってからにしようかな。

  2. 戦略を誤った感が大きいな
    感染予防対策やってるよ、ってあまりにもしつこくアピールしたもんだから「やっぱり危険なんだ」と思われてしまったのではないかと思う。