B-29と朝鮮戦争の空 迎え撃つは戦後ジェット戦闘機MiG-15 その勝負の行方は…?
B-29とMiG-15 実際の対戦結果は…?
朝鮮戦争において、B-29はのべ2万1300機が出撃し、約16万7000tの爆弾を投下、MiG-15などの戦闘機に撃墜されたのは16機でした。逆にB-29は防御火器で17機のMiG-15を撃墜、11機を撃破しています。1950(昭和25)年12月6日、ソ連軍パイロットN・セリコフ中尉が操縦するMiG-15が撃墜されたとソ連軍が記録しており、これがB-29の初戦果だったようです。この戦争でのB-29の戦闘損失合計数は34機で、損失率は0.1%以下でした。
太平洋戦争におけるB-29の、日本への延べ出撃機数は3万3400機、投弾量14万7576t、戦闘損失は494機で損失率1.45%となっています。MiG-15は日本軍戦闘機より性能こそはるかに優れていたものの、B-29迎撃における成果は極めて限定的だったようです。ちまたでいわれるように、ジェット戦闘機がにっくきB-29をバタバタと撃ち落とした、というわけではなかったのです。
B-29は戦略爆撃任務だけでなく、様々な試験や実験におけるプラットフォームとして1960(昭和35)年まで使われて、アメリカ航空戦略に貢献しました。一方MiG-15も、2019年に北朝鮮の元山空港の葛麻飛行場に生き残っていることが確認され「お達者ぶり」を示しています(飛行可能か否かは不明)。
【了】
Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。
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