伊豆観光ツール「Izuko」何が変わった? スマホ世代意識し進化 その背景と意味は
静岡県伊豆エリアを中心に展開されている「観光型MaaS」のサービス「Izuko」は、実証実験が第3フェーズに入りました。従来フェーズのどのような課題を、どのように改善したのでしょうか。単にデジタルチケットの種類が増えただけではありません。
メインターゲットを若年層に
スマートフォン一つで、交通機関や観光施設などの検索・予約からチケット購入までできてしまう観光型MaaSのサービス実験を、東急とJR東日本、伊豆急行が静岡県の伊豆エリアを中心に展開しています。
MaaSの名前は「Izuko(イズコ)」です。この実験の第3フェーズが2020年11月16日(月)に始まりました。
2019年12月にスタートして以降、「Izuko」の実験は第1、第2フェーズと進んできましたが、第3フェーズはさらにサービスの地域が拡大しました。従来の東伊豆・中伊豆に加え、第3フェーズは西伊豆や駿河湾を挟んだ静岡市・富士山静岡空港まで拡大。交通のチケット類も第2フェーズの8種類から第3フェーズは16種類に倍増しました。観光・飲食も21種類から、第3フェーズは125種類に大幅拡充。決済面も第3フェーズからチケットの事前購入が可能になったほか、決済方法に楽天ペイ(オンライン決済)、モバイルSuicaが加わっています。
決済面を強化した背景には、スマートフォンと親和性の高い若年層と観光客をメインターゲットに据えた点があります。「Izuko」は地元の人の利用も想定していたとはいえ、過去の実証実験結果では利用者の9割が観光客だったためです。また、若年層は自家用車を持たない傾向であることを踏まえ、提携施設などは、バス停から徒歩10分以内であること基準に選定されています。
「Izuko」は使い勝手の良さにとことんこだわり、フェーズが進むごとに障壁を取っ払っています。JR東日本は熱海駅や伊東駅などの改札にQRコードリーダーを設置し、スマートフォンの画面をかざすだけで通過できるようにしました。これにより、鉄道を利用するたび駅員にスマートフォンを見せるという手間が省けるわけです。
3社は、デジタルならではのサービスを駆使し、観光客を含めた関係人口を伊豆に増やしたいとしています。
【了】
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