川崎航空機はなぜ液冷エンジン? 旧陸軍戦闘機「飛燕」などに見る「カワサキ」のDNA

戦時中の日本軍機はエンジンの先端が平らな空冷エンジンを採用した機体が多く見られます。欧州機のように先端の尖った液冷エンジンは技術的問題もあり少数派だったのです。そして陸軍で唯一、液冷機を開発していたのが川崎航空機でした。

陸軍機への液冷エンジン供給にこだわるも技術的な限界が…

 当時、陸海軍の軍用機を多く開発していた三菱と中島飛行機は、迅速な兵器開発のために、半ば液冷エンジンの開発を放棄し、空冷エンジンを使用していました。その2社とは違い、川崎は陸軍とのみ関わりが深かったこともあり、液冷エンジンの開発という独自路線で2社との違いをつけていました。

「九二式戦闘機」開発後も、川崎は液冷エンジンの国産化を追求し、「BMW VI」を改造した「ハ9-II甲」というエンジンを搭載した「九五式戦闘機」を開発、陸軍で採用されました。しかし1933(昭和8)年、ソ連戦闘機「I-16」の登場により、引込式主脚を備えた低翼単葉機の時代が到来すると、急速に旧式化が進んでしまいます。

 その後、それまでとは比較にならないほどの速度で液冷エンジンが高出力化していき、開発はさらに困難となります。川崎は「ハ9-II甲」を改造したエンジン「ハ9-II乙」で挑みますが、1938(昭和13)年に採用された「九八式軽爆撃機」で搭載されたのを最後に、陸軍は新型の液冷エンジン開発が技術的に困難だと見切りをつけ、その後は空冷エンジンでの航空機開発を川崎にも指示してきます。

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Bf(Me)109戦闘機(画像:Bundesarchiv、Bild 101I-674-7774-27/Grosse/CC-BY-SA 3.0、CC BY-SA 3.0 DE〈https://bit.ly/36NXS6L〉、via Wikimedia Commons)。

 しかし、同時期にドイツ空軍のメッサーシュミット「Bf109」に搭載されている、ダイムラー・ベンツ製のエンジン「DB 601」がかなりの高性能機であるという情報が入ると、陸軍はこのエンジンのライセンス生産権獲得を狙うようなり、指示を受けた川崎が1939(昭和16)年1月にこの権利を獲得します。ちなみに川崎が権利を獲得する少し前、海軍機の開発を担当していた愛知航空機も同エンジンのライセンス権を得ており、同じ国なのになぜ2社がそれぞれ金を払う必要があるのか、と、ドイツ政府を困惑させたという逸話もあります。

【写真】「カワサキ」が液冷をやめたら…空冷機の「五式戦」

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コメント

4件のコメント

  1. まぁ、カワサキのバイクはここからの伝統で、「オイルが漏れるのは入っている証拠」「メカノイズは作動している証拠」というネタがあるぐらいだからなぁ。

  2. DB601のライセンス生産をしたのは川崎と愛知航空ですよ。

    • ご指摘ありがとうございます。

      訂正いたしました。

  3. 西暦1939年は、昭和14年ですが?

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