妙な路線名、あるのになかった幽霊駅…東京の鉄道「平成の珍風景」5選
全線開業までの過渡期に見られた謎の駅&ヘンテコ路線
鉄道路線の建設が進む中、全線開業までの「暫定措置」として生まれた「奇妙な光景」もあります。
微妙に遠かった&謎の幽霊駅「ゆりかもめ・新橋仮駅&汐留駅」
1995(平成7)年、ゆりかもめの新橋~有明間が開業。それから5年のあいだ、起点である新橋駅は現在の位置ではなく、JRの駅からさらに100mほど離れて仮設されていました。そのため、JRや地下鉄と乗り換えるには、ある程度の距離を徒歩移動する必要がありました。
また、隣の汐留駅は駅がほぼ完成しているにもかかわらず、開業されず全列車が通過しました。これは、駅周辺がまだ再開発中のため、開業しても利用客が見込めないとの判断によります。
2002(平成14)年、周辺の再開発が進んだことから汐留駅はようやく開業。同時に、乗り換え駅となる都営大江戸線の汐留駅も、2年越しに開業を迎えることになりました。
謎の盲腸線…14年間存在した「有楽町新線」
東京メトロ有楽町線にはかつて、「有楽町新線」と呼ばれた支線が存在していました。小竹向原駅から分岐し、有楽町線の真下を並走した後、JR池袋駅の西側に設けられた「新線池袋駅」が終点。途中にある千川、要町の両駅はホームが存在していたものの、路線図には書かれず、通過となっていました。なぜこんな変な路線が作られたのでしょうか。
結論から言うと、これは現在の副都心線の先行完成区間です。1994(平成6)年に開業したあと、2008(平成20)年に副都心線が計画どおり全通するまでの間、「有楽町新線」として暫定営業が行われていました。
西武池袋線の列車の一部は、練馬から西武有楽町線経由で東京メトロ有楽町線へ直通していますが、当時はさらに一部がこの有楽町新線にも直通していました。つまり、西武池袋線の列車は「西武の池袋駅」「地下鉄の池袋駅」「地下鉄の新線池袋駅」と3種類の「池袋駅」に乗り入れるややこしい状態になっていました。
孤立線&無機質な路線名…「都営12号線」
都営大江戸線が全線開業し、「6の字運転」を開始したのは2000(平成12)年。車体やトンネル断面は小さいながらも、都心の東西を結ぶ重要路線となっています。
この大江戸線が最初に開業したのは1991(平成3)年。都心から離れた光が丘~練馬間のわずか3.8km、他のどの地下鉄とも接続しない、4駅のみのミニ路線でした。当時の路線名は「都営12号線」。計画当時のものをそのまま用いたこの無機質な路線名称は、以降9年間も使われることになります。
2000年に国立競技場駅まで延伸開業するのに際し、正式な路線名が公募されました。この時点では「東京環状線(愛称:ゆめもぐら)」が最終候補でしたが、当時の石原慎太郎都知事から「環状運転しないのにその名前はいかがなものか」との意見とともに「大江戸線」の案が上がり、最終的に路線名として決定されました。
ちなみに、地下鉄が郊外から都心へ延伸し、路線名が変更された例として、大阪メトロの「鶴見緑地線」(現:長堀鶴見緑地線)があります。
【了】
根岸線、と思ったが東京と書いてあった…(汗)
有楽町新線は西武池袋線だけでなく東武東上線も直通していましたね。
なので「3種類の池袋駅に乗り入れる」のは西武だけでなく東武も同じ事が言えましたね。
渋谷〜二子玉川園は加算運賃区間だったから、運賃計算が異なるので別の線名にしていたはず。加算期間が終了して線名を分かる必要性がなくなり、運転系統に合わせてわかりやすくするためこの区間も田園都市線に統一したのでは。