横浜の地下鉄を川崎へ ブルーライン延伸で何が変わる? カギは既存のバスと「たまプラ」
あざみ野のバス路線網は地下鉄で替えがきかない?:あざみ野~嶮山
東急田園都市線あざみ野駅の開業は1977(昭和52)年と比較的近年(ブルーラインの駅は1993年開業)で、昭和40年代に宅地の造成が始まるまでは、定住人口もごくわずかだったそうです。延伸区間であざみの駅の隣駅となる嶮山地区では、近くにあった「兎峠」(うとうげ)で、背中から降ろした竹かごが山の下まで転がり落ちたという、むかし話のようなエピソードも残っています。
現在、あざみ野駅前通りの左右には戸建住宅や集合住宅がびっしりと立ち並び、マンションならば4LDK以上のファミリー向け物件がかなりの比率を占めています。一帯の開発からすでに50年近く経過している現在においても、2016年に閉校となったカリタス女子短期大学の跡地に総戸数280戸以上のマンションが建設されるなど、街の新陳代謝が進んでいます。
そしてブルーラインが導入される駅前通り周辺のバス路線網は、その系統の多さ、きめの細かさが特徴的です。新百合ヶ丘まで最短距離で走る前出した新23系統の沿線には、新駅候補地近くにある商業施設「あざみ野ガーデンズ」からあざみ野駅へ向かう「あ71」「あ72」系統が設定され、新23系統の沿道より500mから1km圏内で並行・交差するようなコースを辿りつつ、住宅街の端までを綺麗にカバーしています。
1kmほど北側の荏子田(えこだ)・元石川を経由する系統も複数あり、路線図はまるでセーターの編み目を見ているかのようです。運転本数もそれぞれの系統で多く、この地区では半径1km内のエリアで何台もバスが走っていることも珍しくありません。
このようにバスが多い背景には、横浜の丘陵地ならではの起伏の激しさがあります。600mほどしか離れていないバス停で15mほどの高低差が生じているところもあり、このような地形が影響して、停留所2、3か所分の短距離利用も少なくないのです。
これらの移動需要をまかなうには、単に地下鉄を通し駅をつくるだけでは難しいのではないでしょうか。開業の際には、乗客を駅に集める役割を担うバス路線の再編も課題となるかもしれません。
地下鉄があざみ野に来る前に東急はたまプラーザに誘致しようとしました。いずれ快速(当時)3駅連続停車となるのを避けたかったのでしょう。あざみ野駅ができたころ駅のそばに美しい茅葺き屋根が見えました。一説に今も現役だとか。途中駅の駅名はすすき野はやめてほしいですね、札幌の例を持ち出すまでもなく相模原市にすすき野がありますので。新百合ヶ丘の地下コンコースには小田急線の乗り場から直接降りれる階段をつなげていただいたら便利ですが同駅は数年前橋上に改札を増設したので無理でしょうね。
川崎縦貫鉄道という昔あった話についてですが、尻手黒川道路を、ここを通るのかなと思いながら走ってみましたが沿道には民家は多くなかったです。
川崎市は、特に北部地区の幹線道路整備が非常に遅れています。しかも「整備済み」とされる幹線道路も片側1車線の2車線道路となっている場所がほとんど。尻手黒川道路にせよ、津久井道にせよ、(多摩区の府中街道もですが…)この脆弱な道路整備がバス遅延理由としてはかなり大きいと思います。
地下鉄整備には、街の発展に大きな期待を抱く向きは多いですし、私も開通が楽しみではあります。しかし、それと同様に、川崎市には現状の通行量を鑑みた幹線道路の拡幅多車線化整備も強くお願いしたいです。