横浜の地下鉄を川崎へ ブルーライン延伸で何が変わる? カギは既存のバスと「たまプラ」

地域の志向はあざみ野より「たまプラ」:すすき野新駅周辺

 あざみ野ガーデンズから1kmほど北西の「すすき野」(すすき野2丁目交差点付近)にも新駅設置が予定されています。ここは交差点を横切るように市境が走っており、珍しい「政令指定都市の境界をまたぐ地下鉄駅」となる可能性があります。地上は、市境を挟んで横浜市側に「すすき野団地」、川崎市側に「虹ヶ丘団地」と、高層住宅街が視界の向こうまでズラリと続くさまは壮観です。

 この地域のバス路線は、街の西側を通過する新23系統のほか、すすき野団地~あざみ野間を走る区間便なども設定されており、平日朝は1時間にあわせて30本以上のバスがあざみ野駅方面に向かっています。一方で、東急田園都市線 たまプラーザ駅に向かうバスも、平日日中の1時間で10本程度と多く、あざみ野行き同様に存在感を放っています。

 実はこの地域に限らず、田園都市線沿線の広い範囲で通称「たまプラ」ことたまプラーザ地区が地域の中心の役割を保っています。横浜市が田園都市線の利用者に行った意識調査では、あざみ野、江田、鷺沼、市が尾駅の利用者において、ショッピング・娯楽などで「たまプラーザへの移動が多い」との回答がトップを独占しました。しかも駅周辺での消費金額も平均2000円以上と、他の地域を大きく引き離しています。

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すすき野と王禅寺のあいだで、バスは木々も鬱蒼とした峠を越える(2020年11月、宮武和多哉撮影)。

 たまプラーザは、もともと東急の「多摩田園都市」構想における中核都市として開発され、かつては周辺で唯一の急行停車駅だったこともあって、長らくバス路線の中心でもありました(現在はあざみ野も急行が停車)。ブルーラインが新横浜から延伸される際も、あざみ野ではなくたまプラーザでの接続が要望されていたほどです。あざみ野~新百合ヶ丘の延伸区間からは外れる「たまプラ需要」を取り込むためには、徐々に再開発が進むあざみ野がいかに魅力のある街を作れるかも課題となってくるのではないでしょうか。

【地図/写真】ブルーライン延伸予定図/現地を歩いてみた

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コメント

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2件のコメント

  1. 地下鉄があざみ野に来る前に東急はたまプラーザに誘致しようとしました。いずれ快速(当時)3駅連続停車となるのを避けたかったのでしょう。あざみ野駅ができたころ駅のそばに美しい茅葺き屋根が見えました。一説に今も現役だとか。途中駅の駅名はすすき野はやめてほしいですね、札幌の例を持ち出すまでもなく相模原市にすすき野がありますので。新百合ヶ丘の地下コンコースには小田急線の乗り場から直接降りれる階段をつなげていただいたら便利ですが同駅は数年前橋上に改札を増設したので無理でしょうね。 
    川崎縦貫鉄道という昔あった話についてですが、尻手黒川道路を、ここを通るのかなと思いながら走ってみましたが沿道には民家は多くなかったです。

  2. 川崎市は、特に北部地区の幹線道路整備が非常に遅れています。しかも「整備済み」とされる幹線道路も片側1車線の2車線道路となっている場所がほとんど。尻手黒川道路にせよ、津久井道にせよ、(多摩区の府中街道もですが…)この脆弱な道路整備がバス遅延理由としてはかなり大きいと思います。
    地下鉄整備には、街の発展に大きな期待を抱く向きは多いですし、私も開通が楽しみではあります。しかし、それと同様に、川崎市には現状の通行量を鑑みた幹線道路の拡幅多車線化整備も強くお願いしたいです。