「空中空母」はロマンに非ず アクロン号 ズヴェノー…実在例とそれが生まれ廃れた経緯
高高度を半永久的に無着陸で周回飛行し、膨大な艦載機で敵を圧倒する空中空母……そうしたSF色の強い機体はなかったものの、戦闘機の航続距離を伸ばそうという考えで、空中から航空機を発進させようというプランがありました。
実は飛行機誕生とほぼ同時に空中発進の計画も考えられるように
創作物の世界では、原子力系の動力を使って、長時間着陸をしないで地球上を周回飛行し、航空機の発着艦や簡易的な修理を行う「空中空母」なる兵器が出てくることがあります。実は現実でも、似たようなコンセプトの兵器は考えられたことがありました。空中空母はなぜ考案され、失敗したのでしょうか。その歴史について簡単に紹介したいと思います。
飛行機が誕生し、第1次世界大戦に戦闘機や爆撃機が導入されるようになると、当時、航続距離の短かった飛行機をなるべく遠くへ飛ばしたいという願望も当然、出てくるようになり、実際に大戦中にイギリス空軍は、軍用飛行船から戦闘機を発進させたことがあります。
大戦終了後は、まず、艦艇から航空機を飛ばす航空母艦が登場しました。そして、航空母艦と同じようなコンセプトで空中から発進させる可能性も模索されるようになります。当時、圧倒的に長大な航続距離を誇っていたのは、アルミニウムなどの軽金属の外皮を被せた硬式飛行船でした。その飛行船に航空機を搭載したアメリカ海軍の「アクロン号」が、最初の空中空母といわれています。
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ガウ と ドップ