空港の除雪 実は「雪かきだけで終わり」じゃない! 真冬の旅客機が安全に飛ぶまでの裏側

降雪時の空港では、どのようなことが起こっているのでしょうか。豪雪でも飛行機が運航できるようになるには、いくつかのステップがあり、そこには多くの人の努力があります。大雪の日でも安全運航が続いている理由をみていきます。

実は巡航時にはさほど影響がない「降雪」

 冬、雪が降る空港が取り上げられた映画で代表的なものといえば1970(昭和45)年公開の「大空港(原題;Airport)」でしょうか。雪の降るアメリカのダラス空港が主役で、雪の積もった誘導路から、タグ車にフルパワーをかけ、前後に揺さぶってボーイング707を救い出すシーンがあります。

 映画のとおり、旅客機の運航において、天候は大きな影響を与える要素です。降雪時の空港では、どのようなことが起こっているのでしょうか。

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雪の降る新千歳空港を発着するJAL機(乗りものニュース編集部撮影)。

 基本的に飛行機が飛ぶ際、最も考慮すべきことは風です。フライト前には風速、風向、気温などを事前の気象予報で把握して運航計画を立てますが、もちろん飛行中でもパイロットは随時最新の情報を入手しており、これを安全な運航に役立てています。

 次に、絶対に避けたい気象は雷です。もちろんある程度の雷の直撃を考慮し旅客機は作られているものの、直撃のしかたによっては、破損、事故につながるケースが100%ないわけではありません。なので、原則雷雲の気象予報があれば、その場所を回り道して飛行を続けます。よくドラマなどでは、燃料不足や機内の緊急事態で、雷雲を突破するなどのシチュエーションが描かれることもありますが、実際は「そもそも回避」が原則です。

 巡航中については、ジェット旅客機が巡航する高度1万メートルでは、雨などを降らせる雲は発生しないので、少なくとも雨や雪の注意はほとんど必要ありません。

 ただ、冬になると、日本でも新千歳空港などを始め、北日本の空港の滑走路が雪で閉鎖し、欠航が相次ぐ……などのニュースが放送されます。ニュース番組では滅多に取り上げられないのでほとんど目にすることはありませんが、そのウラでは、手をこまねいて雪解けを待っているわけではなく、空港の運用に関わる人たちが、それこそ血のにじむような努力をしています。

【写真】豪雪地域の空港特有!? 滑走路にも秘密が…

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コメント

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1件のコメント

  1. 当たり前っちゃ当たり前かもしれませんが、
    海外の場合、ヘルシンキ空港は、
    こういう雪の処理はお手のもんだそうで…