「数年に1日」!?の激レア着陸 ANAパイロットどう対応? サンフランシスコで職人技光る

サンフランシスコ国際空港で強い北東の風が吹いた日、とあるANA便が着陸しました。この便が着陸進入の際とったルートは、パイロットによると発生率「数年に1日」程度のレアなもの。スゴ技が光るそのプロセスや裏側を聞きました。

「井」のように交わった滑走路 使い方はほぼ固定…

 2021年1月19日、成田を発ち、アメリカのサンフランシスコ国際空港に着陸したNH8便は、ANA(全日空)の現役機長が「数年に1日程度の頻度ではないか」というレアな運用が発生していました。

 サンフランシスコ国際空港の滑走路は4本。おおむね東西方向(滑走路番号10、28)が2本、おおむね南北方向の滑走路(滑走路番号1、19)が2本ならび、これがまるで漢字の「井」の文字のように、ほぼ直角に交わった配置です。

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ANAのボーイング777-300ER型機(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 通常であれば離陸は「1L」「1R」、つまり南北方向滑走路2本を使って北にむけて飛び、着陸は「28L」「28R」、つまり東西方向滑走路2本へ東側から降りるというのが優先的で、ANAのパイロットも「90%以上はこの組み合わせで運用しているのでは」としています。

 ただ、同日は普段離陸に使われることの多い「1R」が着陸に使われるというレアケースが発生しました。つまり、同空港へ南から進入し、南北方向の滑走路2本の東側、つまり右側の滑走路に降りる運用です。

「サンフランシスコ国際空港は、過去の統計データによると、2月から12月までのほとんどの日で、西または西北西の風が卓越しており、1月も南寄りの風が多くなっています。したがって、「28L」「28R」の横風制限を超過するような北寄りの風が吹くことはごく稀です。ただし、19日は空港南側にある低気圧に向かって等圧線が混んでおり、北東の風が30~40ノット(秒速15~21m)程度吹く状況だったそうです」(ANAのパイロット)

 そして、この日の運用は航空機追跡サイト「フライトレーダー24」が公式Twitterで取り上げ、それを見たフォロワーが、パイロットの技術を“賞賛”する声がコメント欄に並びました。ここではどのようなパイロットの技が使われたのでしょうか。

【航路図】いつもの着陸とレア着陸 ルートの違いは歴然!

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コメント

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4件のコメント

  1. 一生に1回なら激レアではあるが、数年に1回って珍しいの確かだが、それほど”レア”のことになるの?

  2. たまたま非常に高いスキルの持ち主たちに支えられているけど、着陸時の速度や搭乗人数のわりには、人手に頼っている部分が多くて驚く。

  3. SFOは100回以上離発着しました。”通常であれば離陸は「1L」「1R」、つまり南北方向滑走路2本を使って北にむけて飛び”は国内線近距離の小さい機体の場合です。Heavy の機体の離陸は28L, 28Rのどちらかで、1L,1Rだったことは1度もありませんでした。確かにHeavyで1LRの着陸は珍しいですね。フリーウエイの上、近いところを降りていくことになるので、車もびっくりしたのではないでしょうか。
    28LRは同時離陸はないけれど、同時着陸は多いです。1L,R の同時離陸も多いです。自分も動画を撮ったこともありますし、Youtube にたくさんアップロードされています。

  4. 上のスタンダードとされる航路図も実はベイ上で右旋回する珍しいパターンですね。
    1R/Lの離陸機進路と交差してしまうので、多くの日の場合は空港東側のベイには侵入せず、
    空港西の山の上を南下し、左旋回でSan Francisco Bayにでます。