駅そばの名店も相次ぎ消滅 数減らす「駅ナカ&駅前フード」 乗客減で薄利多売に逆風

駅ナカや駅前で営業する、そばなどの飲食店がその数を減らしています。長年愛された店が不可抗力で閉店に至る場合もありますが、新型コロナウィルスによる駅利用者の減少も大きな影響を及ぼしています。

「SLの給水塔横の食堂」「駅そば発祥地? の駅そば店」も

 SL時代の名残といえる、味のある名店も姿を消します。

多度津駅「構内食堂」(JR予讃線・土讃線、香川県多度津町)

 予讃線、土讃線が交わり、「鉄道の街」香川県多度津町の中心をなしてきた多度津駅。その敷地内で長らく営業を続けてきた「構内食堂」が2021年3月末で店を閉じます。もともと職員用の食堂で、鉄道に関わる人々のために営業時間が長く、夜勤用の弁当も作ってくれる必要不可欠な存在でした。

 その立地は、駅構内のなかでも1913(大正2)年に築造された蒸気機関車の給水塔(登録有形文化財)や職員詰所のすぐ横にあり、目の前のホームで乗務員交代した運転士さんが、詰所に立ち寄ったあとそそくさと食堂に入っていく光景もよく見られました。また、この食堂は一般客にも開放されているため、小さな店内では鉄道員と地元の方と旅行者が一斉に同席し、並んだおかずを仲良く取り合うという、不思議な空間でもありました。

 新型コロナの拡大によって一般客が激減したあとも、ほぼ鉄道関係者だけで1日90人近くの利用があったそうです。しかし建物が築90年ということもあり老朽化が激しく、閉店に至りました。

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給水塔横の多度津駅構内食堂(宮武和多哉撮影)。

一ノ関駅「あべちう」(JR東北本線ほか、岩手県一関市)

 1951(昭和26)年から一ノ関駅の東北本線ホームで営業を続けてきた駅そば「あべちう」も閉店しました。初代社長・阿部忠吉が創業してから130年もの歴史を持つ運営元の「あべちう食堂部」も2020年4月より休業に入っており、「いわいとりめし」など数々の駅弁でも知られる同社の今後が心配されます。

 一ノ関駅は1890(明治23)年に東北本線(当時は日本鉄道)の駅として開業後、大船渡線や東北新幹線が開通し、乗り換え駅として発展してきました。近年、明治30年頃の撮影とされる写真に、現在も「斎藤松月堂」として営業を続ける「松月堂支店」のそば店が映っており、これまで長野県の軽井沢駅が発祥とされてきた「駅そば」の歴史が変わる可能性が浮上したとして話題を呼びました。

 なお、この駅で「あべちう」と同じく歴史を重ねてきた「斎藤松月堂」は、2021年現在も定番の「うにごはん」から斬新な味わいの「前沢牛ローストビーフ握り寿司」まで幅広い駅弁を提供しており、「一ノ関駅弁」の灯は今後とも守り続けられるようです。

【ギャラリー】消える旅情と味 駅そばと駅の風景

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コメント

2件のコメント

  1. 音威子府、遠軽、米原については食ったかな。渋谷も若いころは行ったっけな。

    まあ、こういうご時世もあるし仕方ないのかな、でもちょっと寂しいなあ。

  2. 音威子府の常盤軒といい、遠軽の北一そば屋といい、こういう奇特な年配の方々におんぶに抱っこされっぱなしのまま、その方が居なくなると「はい、それまで」的な姿勢はどうかと思うよ。鉄道会社にとれば、たかが駅ソバ屋かも知れないけど、これを(社員とかに技術伝承させるなどして)磨き上げればものすごい客寄せツールになると思うんだけどね。

    「鉄道会社だから関係ない」なんて姿勢のままだと、いずれ本体の方も同じ道を辿るんじゃないか?

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