ボンバルディアはなぜビジネスジェットに「賭けた」のか 鉄道車両も旅客機も手放して【Merkmal】

カナダのボンバルディアがコロナ禍でも業績を維持している。世界的な航空機メーカー、鉄道車両メーカーとして名を馳せた同社だが、いまはほぼ「ビジネスジェット専業」。なぜ数々の事業を手放したのか、そしてなぜ追い風に乗れたのか。

世界3位の旅客機メーカーに成長してからの「危機」

 その後もボンバルディアは1989(平成元)年、海上保安庁にも採用された小型ターボプロップ旅客機SC.7「スカイバン」のメーカーであったショート・ブラザーズ、1990(平成2)年は、海上自衛隊が現在も訓練支援機として運用している「リアジェット35/36」のメーカーであったリアジェット、1992(平成4)年にはDHC-8を開発したデ・ハビランド・カナダを相次いで買収した。こうしてボンバルディアの航空機部門ボンバルディア・エアロスペースは、一時はボーイング、エアバスに次ぐ世界第3位の旅客機メーカーにまで上り詰めた。

 2000年代に入ると、リージョナル・ジェット旅客機でブラジルのエンブラエルの猛追を受けたことから、ボンバルディア・エアロスペースはリージョナル・ジェット旅客機と、ボーイング737、エアバスA320の中間に位置する新型旅客機「Cシリーズ」の開発に着手する。

 いわばニッチ市場を狙い、また高い燃費性能を持つCシリーズは注目を集めたが、ボーイングとエアバスが737とA320のエンジンを変更して燃費性能を向上させた737MAX、A320neoを市場に投入したことに加えて、Cシリーズ自体の開発も遅延し、それに伴って開発コストも膨張したことから、ボンバルディア・エアロスペースは巨額の赤字を計上。またビジネスジェットと鉄道部門も業績が低迷し、ボンバルディアは危機的状況に陥ってきた。

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リージョナル・ジェット旅客機「CRJ」の最終組み立てライン。CRJ事業は2019年に三菱重工業に売却されている(竹内 修撮影)。

 この状況を打開すべく、2015(平成27)年1月にCEO(最高経営責任者)へ就任したアラン・ベルマール氏は大がかりなリストラに乗り出し、2018年に経営悪化の最大の原因となったCシリーズでエアバスと提携して、事実上Cシリーズ事業から撤退。またやはり同年にはDHC-8事業をカナダの航空機メーカー、バイキングエアの親会社であるロングビュー・アビエーション・キャピタルへ、2019年にはCRJ事業を三菱重工業へ、2020年には鉄道事業もフランスのアルストムへとそれぞれ売却した。現在のボンバルディアは、ビジネスジェットの開発と製造を主業とする企業に生まれ変わっている。

【写真】「鉄道ビッグ3」ボンバルディアの名残 360km/h高速鉄道車両

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コメント

2件のコメント

  1. 写真が間違えています。

    2頁の写真は3頁、3頁の写真は2頁が正しいですね。

    • ご指摘ありがとうございます。記事を修正しました。

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